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一章 スタートライン
会議前の数時間 パート2
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「んっ。この酒美味いな」
「だろ~!」
俺は風呂から部屋に戻り、アディルと酒を交わしていた。
VIP待遇の俺達は好きな酒を好きなだけ飲めるのだ。だからといって俺はそこまで酒は強くないため一、二杯で収めとく。
「ふぅ~。いいね~」
だが、この酒好きは俺が風呂に入る前から飲んでいる。・・・前の世界だと飲んでも潰れなかったがここだとどうなのだろう。
こいつはずっと飲んでたはずなのに何故か俺のPCと銃が無くなっている。
「いつ俺の道具を持ってったんだよ」
「あぁ? 工房にいるペテルに〈転移門〉で渡したんだよ。今頃解析頑張ってるはずだぜ」
酔って赤面したアディルが答える。
ペテルは浮遊する黒曜石も整備して気が。・・・こき使われてるなー。
俺は時計をちらりと見る。・・・まだ5時だぞ? そんなに飲んでていいのか?
「あんまり飲みす・・・」
プルルルルル、プルルルルル
部屋にある〈念話〉の固定電話である。形も同じだが不思議では無い。現代人が過去に転生して形を真似したんだろう。
俺は固定電話に手を伸ばす。どうやらベルの部屋からだ。
「もしもし? ベル?」
『あ、にいちゃんか。ちょっと体を動かしに行こうぜ!』
体を動かす?
『温泉の階から一つ下に行くと卓球場があるんだが、そこで卓球やろってこった』
卓球・・・。だと・・・。
「いいけど、アディルも連れていくぞ?」
『おう! もちろんだぜ。・・・じゃあ5時10分に卓球場集合な! ・・・エリスも呼ばなきゃな』
「ああ」
ガチャ
・・・・・・。卓球? このメンバーで?
参加者
・俺
・酔ってるアディル
・身体能力お化けのベル
・至近距離からの弾丸を防ぐエリス
・・・どうする?
「まあいいか・・・。アディル、出るぞ」
「ああ? おう・・・。服装は?」
アディルと俺は風呂上がりの浴衣だ。まあ、城の外に出るわけでは無いから問題ないだろう。
「城の中だからそのままでいいぞ」
~~~~~~~~~~~~~~~
アリスティア城地下三階は完全なレジャー施設となっていた。科学技術が進歩していない異世界とは思えないほどの出来だ。ボウリング、アーチェリー、カジノといったものが揃っている。・・・正直、ラウンドワン以上の充実っぷりだ。
「ホントにここ城かよ」
思わず呟かずにはいられない。
「ここは領主の城、つまりは第七番街だ。ここは基本的に一般開放されてるが殆どが貴族が使用しててな。たまに第六の奴らも来るけど」
俺の呟きを浴衣を着ているベルが拾ってくれた。貴族が金持ちなのは分かるけど、この規模は度を超えている。
ボウリングのピンが落ちた後に一瞬でピンが戻って来るのも謎だし、カジノのディーラーも多いし。挙句の果てに卓球の玉も作りが精巧だし。
ちなみにエリスも同じ浴衣だ。
「俺も来るのは二回目だが、流石にまだ驚いてるぞ? 錬金、鍛冶、建設魔法の極みだな」
「アディルはここ来たことあるのか」
・・・いや、ここにはカジノがあるからか。
「当たり前だ。ちょっくら金を巻き上げに行ったら逆に返り討ちにあったぜ」
ガハハと笑うアディル。
おいおい。・・・まあ、前からそうだったもんな。よくカジノとかギャンブルとかやってたし。
「程々にしとけよ」
そうこうしている内に俺達の卓に到着する。
「それじゃ、アディ兄やろうぜ」
それを聞いたアディルは酔いが冷めたのか、急に顔の色が赤から通常に戻る。
「お、おう」
「及び腰じゃねーか」
アディルとベルはラケットを取る。
「サーブはアディ兄からでいいぞ」
「よし・・・ってそんな変わんないな、行くぞー」
アディルが玉を打つ。軽快なリズムで跳ねる音が鳴る。
タンタン・・・
「っ!」
バン!ガッ!
ベルは来た玉を思いっきり打ち返し、アディルの卓右端をかすらせて点をもぎ取る。・・・かすった拍子に卓の一部が削れてるんだが?
「やりすぎな気が・・・」
「・・・そうか? 爺とやる時はいつもこんな感じだったぞ?」
あの爺さんちゃんと常識を教えろ!
「次行くぞー」
ベルは何事も無かったように続ける。
・・・そう言えばエリスはここに来て一度も話してないな。
「エリス、何かあったか?」
背後にいるエリスに無難な言葉で問いかける。
「ふぇぇ!? な、何も無いですよ!」
・・・。
「絶対何かあるよな?」
「いえいえ! 無いですよ! 無いですよ!」
何故かエリスは赤面しながら否定する。・・・俺は何かしたかな?
思い当たる節が無い。赤面する理由としてはさっき結婚云々と話したが、それだけじゃエリスはうろたえない。とにかくこの表情は珍しいな。
「あ、そうだ。さっき急に発砲して悪かったな」
「っ! いえいえ! 別に気にしてませんよ!」
それならいいが、・・・なんかエリスらしくないな。でも前みたいな嫌な感じじゃない。たまに見せる子供っぽいエリスだ。
「ホッホッ。面白い事をやっておるの」
そんな事を思っていると意外な来客、三人目の化け物、バジステラさんだ。俺達と同じ浴衣を着ており、意外とノリノリだ。
「爺! やろーぜ! アディ兄が弱すぎて相手になんねーんだ」
「仕方ねーだろ。本職は鍛冶師だっての」
スコアボードには19対0と書かれている。どちらがかは言わなくても分かるだろう。
「ホッホッ。よかろう。ちょっくらやろうかの」
アディルは爺さんにラケットを渡す。
サーブは爺さんからだ。
「ほいっ!」
先程と同じ軽快なリズム。その速度はアディルとなんら変わりない。
「っ!」
その玉をベルの高速スマッシュで打ち返す。先程と同じコースで綺麗に決まると思われた。
しかし流石序列三位。ここで常識外の一手を使う。
「〈転移門〉」
地面につく瞬間にゲートで正面に持ってくる。
バン!
ベルと同じ威力のスマッシュで打ち返す。だがベルも弾丸並の速度の玉を素で打ち返す。そしてそれを〈転移門〉を駆使して玉を返す爺さん。
「爺!」
「まだまだ速くなりますぞ」
気がつけば俺では目で追えない速度の攻防となっていた。・・・もはや卓球では無い。
「卓球って俺の知識じゃ貴族のスポーツだった様な気がしたんだが?」
少なくとも目の前の卓球から貴族らしさは微塵も感じない。
さらに凄いのは相手の手の出しにくい位置や角のギリギリを狙って攻めている。
「っほい!」
爺さんは〈転移門〉から二枚目のラケットを取り出す。その〈転移門〉は一体何処に繋がってるのだろうか。疑問である。
余裕の生まれた爺さんが優位に出る。
「な! 爺、それは反則だぞ!」
まさにその通り。ベルは正論だ。
「別にいいじゃろ。問題ないのう」
問題しか無いよ。
やがてベルが押され気味になってきた所で事件が起きた。
ガゴッ!
「「「なっ!」」」
ここにいる一同全員が目を丸くする。
なんと卓球台がこの攻防に耐えられず、足が崩壊したのだ。それに台のギリギリを狙っていたためだろう。
「・・・どうする?」
「私が謝ってきますよ」
この後、エリスの対応で事なきことを得たのだが、しばらくの間出禁を喰らった。
~~~~~~~~~~~~~~~
「ワシのせいじゃ。申し訳ないのう」
俺達は地下一階の休憩スペースでアイスを食べている。・・・ホントだよ。爺さん手加減しろ。
「そう言えば会議は何時なのですか?」
エリスが爺さんに声をかける。
「7時じゃよ。夕飯はそこで貰えるぞ」
「わあ! 楽しみです!」
いつも通り笑顔のエリス。これは嬉しそうな感じだ。・・・エリスの笑顔で何考えてるのが分かるようになってきてしまったな。とはいえ、少し黒い部分も見えてしまう。
「んー。卓球出来なくなっちまったからな。あと1時間、これからどうするんだ?」
ベルが言うなよ。お前のせいだぞ?
「ワシは戻るぞ。まだ仕事が残っとるしの」
「俺もペテルが気になるし転移して行ってくるわ」
爺さんとアディルは忙しそうだな。二人は同時に〈転移門〉を使用してこの場から立ち去った。
「俺は少し走ってくるぜ」
そう言ってすぐに階段を上がって行く。残ったのは俺とエリスだけだ。
「エリスはどうする?」
「私はやる事が無いので部屋でゆっくりしてますよ。レクトさんは?」
どうやらエリスは暇ならしい。
「俺も何処かに行くことは無いから部屋にいるだろうな。・・・時間があるなら少し聞きたいことがある」
そう尋ねるとエリスが顔を赤くした。
「っ! な、なんですか?」
おいおい、またその反応かよ。俺何かしたか? まあ聞きたいことはそれじゃ無いし別にいいが。
「エリスは今日の襲撃を予測出来てたんだろ? なら事前に止めることが出来たんじゃないか?」
変な雰囲気だが、遠慮なく行かせて貰うぞ。
「そうですね。私なら事が起きる前に止められたと思います」
「ならなんで止めなかったんだ?」
エリスの雰囲気が少し変わる。まるで多数の策略を隠し持つ策士だ。
「今回の襲撃でアムネルの参戦を期待してたからです。もし来ていたら街を滅ぼしてでも殺していたでしょう」
こええよ。俺も巻き添えじゃねーか。
「ですが、三柱しかいないと分かった瞬間、敵の拠点を知る作戦にシフトしました」
「それで、分かったのか?」
そしてそこでエリスの雰囲気がまた変わる。幼い子供を見る姉の目だ。
「それは後で分かることですよ。楽しみにしてて下さいね」
ここでエリスは去っていく。・・・エリスは不思議な奴だな。
俺もアイスもう一つ貰って戻るか。
「だろ~!」
俺は風呂から部屋に戻り、アディルと酒を交わしていた。
VIP待遇の俺達は好きな酒を好きなだけ飲めるのだ。だからといって俺はそこまで酒は強くないため一、二杯で収めとく。
「ふぅ~。いいね~」
だが、この酒好きは俺が風呂に入る前から飲んでいる。・・・前の世界だと飲んでも潰れなかったがここだとどうなのだろう。
こいつはずっと飲んでたはずなのに何故か俺のPCと銃が無くなっている。
「いつ俺の道具を持ってったんだよ」
「あぁ? 工房にいるペテルに〈転移門〉で渡したんだよ。今頃解析頑張ってるはずだぜ」
酔って赤面したアディルが答える。
ペテルは浮遊する黒曜石も整備して気が。・・・こき使われてるなー。
俺は時計をちらりと見る。・・・まだ5時だぞ? そんなに飲んでていいのか?
「あんまり飲みす・・・」
プルルルルル、プルルルルル
部屋にある〈念話〉の固定電話である。形も同じだが不思議では無い。現代人が過去に転生して形を真似したんだろう。
俺は固定電話に手を伸ばす。どうやらベルの部屋からだ。
「もしもし? ベル?」
『あ、にいちゃんか。ちょっと体を動かしに行こうぜ!』
体を動かす?
『温泉の階から一つ下に行くと卓球場があるんだが、そこで卓球やろってこった』
卓球・・・。だと・・・。
「いいけど、アディルも連れていくぞ?」
『おう! もちろんだぜ。・・・じゃあ5時10分に卓球場集合な! ・・・エリスも呼ばなきゃな』
「ああ」
ガチャ
・・・・・・。卓球? このメンバーで?
参加者
・俺
・酔ってるアディル
・身体能力お化けのベル
・至近距離からの弾丸を防ぐエリス
・・・どうする?
「まあいいか・・・。アディル、出るぞ」
「ああ? おう・・・。服装は?」
アディルと俺は風呂上がりの浴衣だ。まあ、城の外に出るわけでは無いから問題ないだろう。
「城の中だからそのままでいいぞ」
~~~~~~~~~~~~~~~
アリスティア城地下三階は完全なレジャー施設となっていた。科学技術が進歩していない異世界とは思えないほどの出来だ。ボウリング、アーチェリー、カジノといったものが揃っている。・・・正直、ラウンドワン以上の充実っぷりだ。
「ホントにここ城かよ」
思わず呟かずにはいられない。
「ここは領主の城、つまりは第七番街だ。ここは基本的に一般開放されてるが殆どが貴族が使用しててな。たまに第六の奴らも来るけど」
俺の呟きを浴衣を着ているベルが拾ってくれた。貴族が金持ちなのは分かるけど、この規模は度を超えている。
ボウリングのピンが落ちた後に一瞬でピンが戻って来るのも謎だし、カジノのディーラーも多いし。挙句の果てに卓球の玉も作りが精巧だし。
ちなみにエリスも同じ浴衣だ。
「俺も来るのは二回目だが、流石にまだ驚いてるぞ? 錬金、鍛冶、建設魔法の極みだな」
「アディルはここ来たことあるのか」
・・・いや、ここにはカジノがあるからか。
「当たり前だ。ちょっくら金を巻き上げに行ったら逆に返り討ちにあったぜ」
ガハハと笑うアディル。
おいおい。・・・まあ、前からそうだったもんな。よくカジノとかギャンブルとかやってたし。
「程々にしとけよ」
そうこうしている内に俺達の卓に到着する。
「それじゃ、アディ兄やろうぜ」
それを聞いたアディルは酔いが冷めたのか、急に顔の色が赤から通常に戻る。
「お、おう」
「及び腰じゃねーか」
アディルとベルはラケットを取る。
「サーブはアディ兄からでいいぞ」
「よし・・・ってそんな変わんないな、行くぞー」
アディルが玉を打つ。軽快なリズムで跳ねる音が鳴る。
タンタン・・・
「っ!」
バン!ガッ!
ベルは来た玉を思いっきり打ち返し、アディルの卓右端をかすらせて点をもぎ取る。・・・かすった拍子に卓の一部が削れてるんだが?
「やりすぎな気が・・・」
「・・・そうか? 爺とやる時はいつもこんな感じだったぞ?」
あの爺さんちゃんと常識を教えろ!
「次行くぞー」
ベルは何事も無かったように続ける。
・・・そう言えばエリスはここに来て一度も話してないな。
「エリス、何かあったか?」
背後にいるエリスに無難な言葉で問いかける。
「ふぇぇ!? な、何も無いですよ!」
・・・。
「絶対何かあるよな?」
「いえいえ! 無いですよ! 無いですよ!」
何故かエリスは赤面しながら否定する。・・・俺は何かしたかな?
思い当たる節が無い。赤面する理由としてはさっき結婚云々と話したが、それだけじゃエリスはうろたえない。とにかくこの表情は珍しいな。
「あ、そうだ。さっき急に発砲して悪かったな」
「っ! いえいえ! 別に気にしてませんよ!」
それならいいが、・・・なんかエリスらしくないな。でも前みたいな嫌な感じじゃない。たまに見せる子供っぽいエリスだ。
「ホッホッ。面白い事をやっておるの」
そんな事を思っていると意外な来客、三人目の化け物、バジステラさんだ。俺達と同じ浴衣を着ており、意外とノリノリだ。
「爺! やろーぜ! アディ兄が弱すぎて相手になんねーんだ」
「仕方ねーだろ。本職は鍛冶師だっての」
スコアボードには19対0と書かれている。どちらがかは言わなくても分かるだろう。
「ホッホッ。よかろう。ちょっくらやろうかの」
アディルは爺さんにラケットを渡す。
サーブは爺さんからだ。
「ほいっ!」
先程と同じ軽快なリズム。その速度はアディルとなんら変わりない。
「っ!」
その玉をベルの高速スマッシュで打ち返す。先程と同じコースで綺麗に決まると思われた。
しかし流石序列三位。ここで常識外の一手を使う。
「〈転移門〉」
地面につく瞬間にゲートで正面に持ってくる。
バン!
ベルと同じ威力のスマッシュで打ち返す。だがベルも弾丸並の速度の玉を素で打ち返す。そしてそれを〈転移門〉を駆使して玉を返す爺さん。
「爺!」
「まだまだ速くなりますぞ」
気がつけば俺では目で追えない速度の攻防となっていた。・・・もはや卓球では無い。
「卓球って俺の知識じゃ貴族のスポーツだった様な気がしたんだが?」
少なくとも目の前の卓球から貴族らしさは微塵も感じない。
さらに凄いのは相手の手の出しにくい位置や角のギリギリを狙って攻めている。
「っほい!」
爺さんは〈転移門〉から二枚目のラケットを取り出す。その〈転移門〉は一体何処に繋がってるのだろうか。疑問である。
余裕の生まれた爺さんが優位に出る。
「な! 爺、それは反則だぞ!」
まさにその通り。ベルは正論だ。
「別にいいじゃろ。問題ないのう」
問題しか無いよ。
やがてベルが押され気味になってきた所で事件が起きた。
ガゴッ!
「「「なっ!」」」
ここにいる一同全員が目を丸くする。
なんと卓球台がこの攻防に耐えられず、足が崩壊したのだ。それに台のギリギリを狙っていたためだろう。
「・・・どうする?」
「私が謝ってきますよ」
この後、エリスの対応で事なきことを得たのだが、しばらくの間出禁を喰らった。
~~~~~~~~~~~~~~~
「ワシのせいじゃ。申し訳ないのう」
俺達は地下一階の休憩スペースでアイスを食べている。・・・ホントだよ。爺さん手加減しろ。
「そう言えば会議は何時なのですか?」
エリスが爺さんに声をかける。
「7時じゃよ。夕飯はそこで貰えるぞ」
「わあ! 楽しみです!」
いつも通り笑顔のエリス。これは嬉しそうな感じだ。・・・エリスの笑顔で何考えてるのが分かるようになってきてしまったな。とはいえ、少し黒い部分も見えてしまう。
「んー。卓球出来なくなっちまったからな。あと1時間、これからどうするんだ?」
ベルが言うなよ。お前のせいだぞ?
「ワシは戻るぞ。まだ仕事が残っとるしの」
「俺もペテルが気になるし転移して行ってくるわ」
爺さんとアディルは忙しそうだな。二人は同時に〈転移門〉を使用してこの場から立ち去った。
「俺は少し走ってくるぜ」
そう言ってすぐに階段を上がって行く。残ったのは俺とエリスだけだ。
「エリスはどうする?」
「私はやる事が無いので部屋でゆっくりしてますよ。レクトさんは?」
どうやらエリスは暇ならしい。
「俺も何処かに行くことは無いから部屋にいるだろうな。・・・時間があるなら少し聞きたいことがある」
そう尋ねるとエリスが顔を赤くした。
「っ! な、なんですか?」
おいおい、またその反応かよ。俺何かしたか? まあ聞きたいことはそれじゃ無いし別にいいが。
「エリスは今日の襲撃を予測出来てたんだろ? なら事前に止めることが出来たんじゃないか?」
変な雰囲気だが、遠慮なく行かせて貰うぞ。
「そうですね。私なら事が起きる前に止められたと思います」
「ならなんで止めなかったんだ?」
エリスの雰囲気が少し変わる。まるで多数の策略を隠し持つ策士だ。
「今回の襲撃でアムネルの参戦を期待してたからです。もし来ていたら街を滅ぼしてでも殺していたでしょう」
こええよ。俺も巻き添えじゃねーか。
「ですが、三柱しかいないと分かった瞬間、敵の拠点を知る作戦にシフトしました」
「それで、分かったのか?」
そしてそこでエリスの雰囲気がまた変わる。幼い子供を見る姉の目だ。
「それは後で分かることですよ。楽しみにしてて下さいね」
ここでエリスは去っていく。・・・エリスは不思議な奴だな。
俺もアイスもう一つ貰って戻るか。
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