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前編
しおりを挟む「キミとの婚約は破棄するヨォ! 今すぐオレの前から消えろヨォ! うっはっはハァ!」
親の都合で婚約させられた相手である彼ルートブリーチからある日突然そんんなことを言われた。
「え……」
「聞こえなかったのカァ~? 難聴みたいだナァ~? おばあちゃんかネェ! それか馬鹿かネェ~?」
掲げた両腕、手首でそれぞれ外側に向けて折ったポーズで、腰を無意味なほど揺さぶって踊るルートブリーチ。
動きと発する言葉に関連性は一切ない。
「婚約破棄、なんて、いきなり過ぎませんか」
「馬鹿ァ、そっちだったナァ!」
「それにこの婚約、私たちだけで破棄するなど問題はないのでしょうか。お互いの両親が相談しての婚約でしたよね……?」
一応言ってみたところ。
「いいんだようっせぇナ!!」
急に荒々しく叫ばれてしまった。
「婚約破棄は決定! もう決めたんダ! 絶対、絶対、ゼエェ~ッタイ、考えは変わらねえんだヨォ~ッ!!」
こうして婚約は破棄となった。
平凡な雨の日のことだった。
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