1 / 2
前編
しおりを挟む
ミルナは所属する斧兵隊の隊長でもあるルジェベリアに微かながら恋心を抱いている。
その感情に気づいたのは、助けられ、出会った直後。だからこそ、ミルナはルジェベリアと共に存在する道を選んだ。そして今に至っている。
「訓練はここまで! ご苦労!」
ルジェベリアが凛とした声で告げると、森の中での訓練は終わった。隊員たちはあっという間に解散していく。木陰で訓練の様子を見つめていたミルナは、訓練終了を知り、ルジェベリアの方へと駆け出す。
「ルジェベリア、あのーー」
ミルナが発しかけた、ちょうどその時。
ルジェベリアに一人の男性隊員が話しかけた。
「隊長! この後は斧を片付けておいたらいいっすか?」
「あぁ、そうしてくれ」
「承知しましたあ、あと、ちょっと相談があるんすけど」
「相談? べつに構わないが……」
何やら入っていかない方が良さそうな雰囲気を感じ取ったミルナは、ルジェベリアに話しかけるのは諦めた。
夕暮れ時、斧兵隊は酒場に集まっていた。
部隊には酒好きが多い。それゆえ、ルジェベリア率いる斧兵隊は、いつもこうして酒場で食事をしている。ちなみに、ミルナは同行しているが酒は飲まない。
「隊長! 妹さん紹介して下さいよー! きっと可愛いんでしょー?」
「いや、今は無理だな。アステロイナーはそういったことにはあまり興味がない」
酔っ払った男性隊員は、少しばかり正気を失い、ルジェベリアにも馴れ馴れしく話しかける。
いつものことなのだが、この光景を目にするのがミルナはとても嫌いだ。
「それに、将来の夢が力士だったような子だが、良いのか?」
「えっ。り、りき……し……?」
「はは。まぁそういうことだ。いい加減、妹は諦めてくれ」
ただし、心なしか酔っているルジェベリアを目にするのは、ミルナとしてはわりと好きである。
隣へ行って喋ることができないことは辛くても、見つめていられるだけで心がとろけてくるから、ミルナはいつも我慢して斧兵隊に同行している。
その感情に気づいたのは、助けられ、出会った直後。だからこそ、ミルナはルジェベリアと共に存在する道を選んだ。そして今に至っている。
「訓練はここまで! ご苦労!」
ルジェベリアが凛とした声で告げると、森の中での訓練は終わった。隊員たちはあっという間に解散していく。木陰で訓練の様子を見つめていたミルナは、訓練終了を知り、ルジェベリアの方へと駆け出す。
「ルジェベリア、あのーー」
ミルナが発しかけた、ちょうどその時。
ルジェベリアに一人の男性隊員が話しかけた。
「隊長! この後は斧を片付けておいたらいいっすか?」
「あぁ、そうしてくれ」
「承知しましたあ、あと、ちょっと相談があるんすけど」
「相談? べつに構わないが……」
何やら入っていかない方が良さそうな雰囲気を感じ取ったミルナは、ルジェベリアに話しかけるのは諦めた。
夕暮れ時、斧兵隊は酒場に集まっていた。
部隊には酒好きが多い。それゆえ、ルジェベリア率いる斧兵隊は、いつもこうして酒場で食事をしている。ちなみに、ミルナは同行しているが酒は飲まない。
「隊長! 妹さん紹介して下さいよー! きっと可愛いんでしょー?」
「いや、今は無理だな。アステロイナーはそういったことにはあまり興味がない」
酔っ払った男性隊員は、少しばかり正気を失い、ルジェベリアにも馴れ馴れしく話しかける。
いつものことなのだが、この光景を目にするのがミルナはとても嫌いだ。
「それに、将来の夢が力士だったような子だが、良いのか?」
「えっ。り、りき……し……?」
「はは。まぁそういうことだ。いい加減、妹は諦めてくれ」
ただし、心なしか酔っているルジェベリアを目にするのは、ミルナとしてはわりと好きである。
隣へ行って喋ることができないことは辛くても、見つめていられるだけで心がとろけてくるから、ミルナはいつも我慢して斧兵隊に同行している。
1
あなたにおすすめの小説
春に狂(くる)う
転生新語
恋愛
先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761
小さくなって寝ている先輩にキスをしようとしたら、バレて逆にキスをされてしまった話
穂鈴 えい
恋愛
ある日の放課後、部室に入ったわたしは、普段しっかりとした先輩が無防備な姿で眠っているのに気がついた。ひっそりと片思いを抱いている先輩にキスがしたくて縮小薬を飲んで100分の1サイズで近づくのだが、途中で気づかれてしまったわたしは、逆に先輩に弄ばれてしまい……。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる