2 / 2
後編
しおりを挟む「あ、いや、ううん何でも。ごめん」
「ぼんやりしてたわよ?」
「ごめん……」
「あのねルル、責めているわけじゃないの。でも心配だから。どうか……どうか、何かあるのなら伝えて? 一人で抱えては駄目よ」
闇に咲く薔薇のように美しいメリッサは私の今の恋人だ。
ただしこのことは世には出ていない。
表向き私たちは王女と従者であり、親友のような関係だと言われてはいるもののそれ以上だとは誰にも思われてはいない。
いうなれば、秘密の関係。
「ありがと。メリッサ。でも本当に大丈夫。……ちょっと昔のことを考えてただけだから」
「そう……ならいいのだけれど」
私は目の前にいる可憐な彼女が好きだ。
愛している。
誰よりも。
「いつもごめんね」
「いいえ! ルルは悪くないの! ああそうだ、そろそろちょっとハーブティーでも飲まない? 新しいのが入ったのよ昨日」
「え。気になる」
「じゃあ持ってこさせましょう」
王女メリッサの部屋、その中でだけの関係。
けれどもその関わりは何よりも深い。
そして誰の手によってでも壊せないもの。
「美しい色のハーブティーなの、ルルきっと気に入るわ」
私は彼女をずっと大事にしていきたい。
だって彼女は私の希望だから。
いつまでも大事に想い、そして、特別な人として身も心も護っていたい。
◆終わり◆
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
この作品の感想を投稿する
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる