幼い頃の誓いは最後までは守られませんでした、悲しいことですが。~花を育てたり近所の人と喋ったりのんびり暮らすのも悪くないですね~

四季

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 幼い頃、草原で語り合った。

「なぁフィール! いつかきっと結婚しような!」
「そうね、そうしましょう。ダットとなら絶対楽しいと思うわ」

 私フィールと幼馴染みの彼ダット、私たちはとてつもなく強い絆で結ばれていた。

 だからこそ未来を信じられたし夢だってみられたのだ。

 二人でいればきっと未来は明るいものにできる、そう思えていたのだ。

 ――そして、十八歳になった日、私たちは本当に婚約を交わしたのであった。


 ◆


「わたしの腹にはダットの子がいるんです。だから貴女はもう消えてください。分かります? 貴女はダットに選ばれなかったということなんですよ」

 婚約から数ヶ月が経ったある日のこと、一人の女性が私の前に現れた。

「婚約は解消してくださいね」

 彼女はどこまでも強気で。
 自分が他の誰よりもダットに愛されていると信じてやまないようだった。

「え、あの、待ってください。何ですかそれ、話がよく……」
「フィールさん、貴女は確かにダットの婚約者です。でもそういうことには発展していないのでしょう? それでは愛されているとは言えないですよ」
「いえ、それは、順序を守って……」
「順序? くっだらない。愛された者こそが勝者です! 貴女はわたしに負けたのですよ、さっさと消えてくださいね。じゃ、そういうことなので」
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