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前編
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私はとある国の王女。
国同士の関係を良好にするためという一種の使命のようなものを帯びて、隣国の王子ダルマンと婚約した。
でも私は嫌ではなかった。
確かに、あまり知らない人と結婚するということには抵抗がある。夫婦になるとなればその先もあるわけだし。どうしても心理的抵抗はあるというものだ。が、それもまた私の役目で使命と思えば、生まれ育った国のために頑張れると思った。国のためなら、国の人々のためなら、私は他国の王子のところへだって嫁げる、と。
だが、婚約してダルマンの国へ行くと、私は酷くいじめを受けた。
まず侍女らが私を良く思っていないようで。すれ違うたびにくすくす笑われ、ダサい国の女と悪口を吐かれもした。時にはドレスを破かれたりつまづいて転倒するよう仕掛けられたりとそういう実際に被害の出るような嫌がらせをされたこともある。
ダルマンはそれを見て見ぬふりしていた。
そして、ダルマンの母親である王妃もまた私を嫌っていて、会うたび「我が家に貴女みたいな王女が入れるなんておかしな話よね」「早く消えればいいのに」などと言ってきた。
けれども私はそれらの嫌がらせに耐えてきた。
よそから来たから仕方ない部分もある、そう思って。
しかし。
ある時父と母の写真に酷い落書きをしたものをプレゼントとして大量に渡され、その瞬間我慢の限界が来た。
どうして私がこんな目に遭わなくてはならないの!?
何もしていないのに!
こちらは彼女らに嫌な思いをさせるようなことはしていないのに!
もう耐えられなかった。
私はダルマンらがいる城を出て、生まれ育った国にある城へ帰った。
国同士の関係を良好にするためという一種の使命のようなものを帯びて、隣国の王子ダルマンと婚約した。
でも私は嫌ではなかった。
確かに、あまり知らない人と結婚するということには抵抗がある。夫婦になるとなればその先もあるわけだし。どうしても心理的抵抗はあるというものだ。が、それもまた私の役目で使命と思えば、生まれ育った国のために頑張れると思った。国のためなら、国の人々のためなら、私は他国の王子のところへだって嫁げる、と。
だが、婚約してダルマンの国へ行くと、私は酷くいじめを受けた。
まず侍女らが私を良く思っていないようで。すれ違うたびにくすくす笑われ、ダサい国の女と悪口を吐かれもした。時にはドレスを破かれたりつまづいて転倒するよう仕掛けられたりとそういう実際に被害の出るような嫌がらせをされたこともある。
ダルマンはそれを見て見ぬふりしていた。
そして、ダルマンの母親である王妃もまた私を嫌っていて、会うたび「我が家に貴女みたいな王女が入れるなんておかしな話よね」「早く消えればいいのに」などと言ってきた。
けれども私はそれらの嫌がらせに耐えてきた。
よそから来たから仕方ない部分もある、そう思って。
しかし。
ある時父と母の写真に酷い落書きをしたものをプレゼントとして大量に渡され、その瞬間我慢の限界が来た。
どうして私がこんな目に遭わなくてはならないの!?
何もしていないのに!
こちらは彼女らに嫌な思いをさせるようなことはしていないのに!
もう耐えられなかった。
私はダルマンらがいる城を出て、生まれ育った国にある城へ帰った。
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