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後編

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 城へ帰った私は、父に、ダルマンの周囲が私を虐めさらには父母を侮辱するような行為をしてきたことをすべて明かした。それから、婚約を取り消すことを希望していると伝えた。

「何だと!? 許せん! 悪どい奴らめ!」
「ごめんなさい本当はこんな風にはしたくなった……でも、お父様、私はもう我慢できないの」
「我慢などしなくていい。婚約は破棄としてやる。あいつら、絶対の絶対の絶対に許さんぞ!!」

 その後、父が話をつけてくれて、私とダルマンの婚約は破棄となった。

 だが両国の関係は改善せず。むしろそこから悪化していってしまって。いつしか開戦に至ってしまう。

 けれどもその結果我が国は勝者となった。

 多くのものを得て。
 戦いは無事終わった。

 被害はなかったわけではないけれど、でも、最小で済んだ。

 ある意味では諸悪の根元とも言えるダルマンの母親は私の父の命令で拘束された後拷問刑に処されることとなり。死刑とはならなかったが、それよりも惨い目に遭うこととなったようだ。いや、今も、である。現在進行形で、彼女は拷問刑に処されている。

 そして、王族の近くで働いていた侍女の多くも拘束され、色々な方法で可哀想な最期を迎えた。

 国王は人々の前で処刑され、王子ダルマンも父から数日にわたって説教を受けた後に処刑されたそうだ。

 ただ、国民だけは、殺められはしなかった。
 罪はそこまでないという判断だったからだ。
 もちろん国民も多くのものを失っただろうが、我が国は、罪のすべてを彼ら彼女らに押し付けるようなことはしなかった。


 ◆


 あれから数十年、大陸でも一位二位を争う大国となったこの国の王は私だ。

 これまで女性が王となったことはなかったのだけれど、前例主義者たちを打ち破り、私が国王となった。

 私はこの国のために生きてゆく。
 生まれた地、生まれた国、そのために身を捧げる。

 ちなみに、結婚はしていて、子もいる。


◆終わり◆
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