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前編
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私には婚約者がいる。
彼の名はウィズム・オーガリー。
いつも穏やかで優しい青年。
そんな彼のことを、私は、心の底から愛している。
そんな私たちの細やかな楽しみ、幸せな時間。
それは、二人でしりとりをする時間である。
私たちは二人きりになると大抵すぐにしりとりを始める。しりとりを楽しむ時間こそが至高。これがたまらない。
もちろん、くだらないこと、と思う人だっているだろう。
それも分かる。
けれども私たちにとっては、しりとりをする時間が最高なのだ。
「ウィズム、今日もしりとりを楽しみましょう?」
「うん! じゃ、お茶でも淹れるよ!」
ちなみに私が好きなのはカモミールティーだ。
「始めるわね」
「うん!」
「じゃあ……カモミール」
彼は花柄のポットを手にしている。
「ルイボスティー」
「ティッシュ」
「うわっ、ちょっと難しい、けど……手話!」
「割引」
「じゃあ、貴公子、で!」
「そうね……なら! しりとり、にするわ」
出されたのはカモミールティーだった。
さすがはウィズム、よく分かっている。
香りからして美味しそうな仕上がり。
「ベタなところ来たね。えーっと、じゃあ、領地!」
「誓い」
「おおーっ。い、だから……息切れ!」
手にしたティーカップを傾けると、口腔内に良い香りと甘みをはらんだ味わいが広がる。
「歴史、でいくわ」
「シュークリーム」
「麦茶」
「おおっ。じゃあ、茶会、にするよ!」
「池、で」
「喧嘩」
「ちょっと物騒ね……なら、カップ、で」
「プール、かな」
「瑠璃」
「し、シンプルっ……よし、なら! 旅行、で!」
彼とこうしていると癒やされる。
彼の名はウィズム・オーガリー。
いつも穏やかで優しい青年。
そんな彼のことを、私は、心の底から愛している。
そんな私たちの細やかな楽しみ、幸せな時間。
それは、二人でしりとりをする時間である。
私たちは二人きりになると大抵すぐにしりとりを始める。しりとりを楽しむ時間こそが至高。これがたまらない。
もちろん、くだらないこと、と思う人だっているだろう。
それも分かる。
けれども私たちにとっては、しりとりをする時間が最高なのだ。
「ウィズム、今日もしりとりを楽しみましょう?」
「うん! じゃ、お茶でも淹れるよ!」
ちなみに私が好きなのはカモミールティーだ。
「始めるわね」
「うん!」
「じゃあ……カモミール」
彼は花柄のポットを手にしている。
「ルイボスティー」
「ティッシュ」
「うわっ、ちょっと難しい、けど……手話!」
「割引」
「じゃあ、貴公子、で!」
「そうね……なら! しりとり、にするわ」
出されたのはカモミールティーだった。
さすがはウィズム、よく分かっている。
香りからして美味しそうな仕上がり。
「ベタなところ来たね。えーっと、じゃあ、領地!」
「誓い」
「おおーっ。い、だから……息切れ!」
手にしたティーカップを傾けると、口腔内に良い香りと甘みをはらんだ味わいが広がる。
「歴史、でいくわ」
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「おおっ。じゃあ、茶会、にするよ!」
「池、で」
「喧嘩」
「ちょっと物騒ね……なら、カップ、で」
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「し、シンプルっ……よし、なら! 旅行、で!」
彼とこうしていると癒やされる。
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