婚約者を死に至らせた妖精を許すことは絶対にできません。妖精には必ず死んでもらいます。

四季

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前編

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 庭にいつの間にか植わっていた一輪の大きな花が咲いた。

 赤とピンクと黄色を混ぜたような色の花弁。
 見たことのない種類の花だった。

 そして、その花の中心部から、一匹の妖精が現れる。

 彼女は一度私に向かってウインクしすぐに飛び去っていった――でもまさかこれが事件の始まりになるとは誰も思っていなかっただろう、そう、私もそんな予感は抱いてはいなかった。

 でも、その日から、婚約者エベルリッヂは変わってしまった。

「ねえ、来週末、また会わない?」
「……会わない」
「そんな! どうして」
「ごめん無理」
「……何か用事とか?」
「うるさいな、黙ってよ」

 初めてそんな風に対応された時はかなり驚いた。

 今までそんなことはなかったから。

「この前ごめんね」
「いや」
「これね、新しい茶葉! 買ってみたの」
「要らないよ」
「えっ……」
「もういいから帰って」

 贈り物すら受け取ってもらえず。

「あのね、昨日ね――」
「あのさ」
「え」
「うるさいよいちいち、関わってこないでよ」
「そんな、どうして? 婚約者なのに関わっちゃ駄目なの?」
「鬱陶しいんだよ」
「最近ちょっと様子が違うわよ」
「うるさいな」
「何かあった?」

 そしてついにその日が来てしまう。

「うるさいんだよ!!」

 エベルリッヂに叫ばれる。

 その時の彼は鬼みたいな顔をしていた。

「もういい! お前みたいなやつ! 婚約は破棄する!」

 勢いのままに叫ばれる。

 すぐには信じられなかった。
 嘘だと思った。
 でも彼は嘘を言っているわけではなかったようで。

「ま、そういうことだからさ、これでもうおしまいな」

 最後にそれだけ吐き捨てた。
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