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前編
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私には婚約者がいる。
けれどもその日見てしまった、彼が私の妹と大人の関係にまで発展していることを。
その日、たまたまちょっとした用事があって、私は彼の家へ行った。すると応接室の扉がなぜか開いていて。誰か来ているのだろうなと思いつつそっと通過しようとしたら、婚約者ローウインと私の妹が室内でいちゃついていた。それも、かなり進展しているような、一歩踏み込んだようないちゃつき方。ソファにもたれかかるようにしながら互いに身を寄せていて、甘い声を漏らしている。
「ローウインさん……あの、これは一体……?」
私は自然に声をかけてしまった。
後から「声をかけるべきでなかったかな」と思う。
とてつもなく気まずい。
「あ……。ど、どうして、君が……?」
ローウインは混乱したような顔をしている。
妹は着ているワンピースが豪快にずれていて、胸もとなどは下着はあるもののほぼ丸出しになっていた。
「私は用事で来ただけです。通りかかったのです」
「こ、これは、違うんだ!」
「いえ、もう、何も言っていただかなくて結構です」
「待ってくれ!」
見ればすべて分かる。
何も聞きたくはない。
「ローウインさん、貴方との婚約は破棄します」
言い訳なんて聞く気はない。
「どうぞ、妹とお幸せに。私はもうあなたたちとは関わりません。では……さようなら」
けれどもその日見てしまった、彼が私の妹と大人の関係にまで発展していることを。
その日、たまたまちょっとした用事があって、私は彼の家へ行った。すると応接室の扉がなぜか開いていて。誰か来ているのだろうなと思いつつそっと通過しようとしたら、婚約者ローウインと私の妹が室内でいちゃついていた。それも、かなり進展しているような、一歩踏み込んだようないちゃつき方。ソファにもたれかかるようにしながら互いに身を寄せていて、甘い声を漏らしている。
「ローウインさん……あの、これは一体……?」
私は自然に声をかけてしまった。
後から「声をかけるべきでなかったかな」と思う。
とてつもなく気まずい。
「あ……。ど、どうして、君が……?」
ローウインは混乱したような顔をしている。
妹は着ているワンピースが豪快にずれていて、胸もとなどは下着はあるもののほぼ丸出しになっていた。
「私は用事で来ただけです。通りかかったのです」
「こ、これは、違うんだ!」
「いえ、もう、何も言っていただかなくて結構です」
「待ってくれ!」
見ればすべて分かる。
何も聞きたくはない。
「ローウインさん、貴方との婚約は破棄します」
言い訳なんて聞く気はない。
「どうぞ、妹とお幸せに。私はもうあなたたちとは関わりません。では……さようなら」
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