婚約破棄されたので幼馴染みと久々に会ってみることにしました。といっても、先のことは特に何も考えていなかったのですが……？

３話

「だから、数日後に返答させてもらってもいい？」
「ああもちろん」
「じゃあ三日後とか？」
「それでもいい」
「じゃあまた三日後に会いましょうか」
「そうだな」
「待ってもらうことになってごめんなさいね」
「いやいいよ。それだけ真剣に考えてもらえるってことだし、それはとても嬉しいことだ」

　その後私はエイデンと共に歩む道を選んだのだった。


　◆


　あれから数年、私とエイデンは今とても幸せに暮らせている。

「今日も良い天気ね」
「ああそうだな」

　私たちは今夫婦である。
　彼と一緒に毎日過ごしているけれど関係が壊れゆくことはない。

　もう幸せの極み。

　あの時に彼と会って良かったし、彼と行く道を選んで良かった。

「朝食出してくるわね」
「ああ！　ありがとう」
「ジャムは何の味が好きかしら」
「んー……悩むが、イチゴだな！」
「分かったわ。じゃあイチゴジャムを持ってくるわ」

　ちなみに、元婚約者の彼はというと、あの後破滅したようだ。

　愛する人と結婚しようとしていたところ女性に複数人そんな感じの人がいたことが判明したそうだ。で、彼は衝撃を受けて寝込んでしまう。そこから彼は急激に体調不良に見舞われるようになってしまい、以降、他者と関わることはほとんどできないような状態となってしまったそうだ。

　その後彼は謎の奇病にまでかかってしまい、生きていることに絶望して――やがて彼は衝動的に刃物で自分を刺し、失血死で亡くなってしまったらしい。


◆終わり◆