3 / 3
3話
しおりを挟む「何か根拠があるの?」
「あたしがそうだって言ったらそうなの! これまでだってずっとそうだったでしょう? お姉さまはいつもあたしが幸せを掴めないように邪魔してきていたでしょう? 玩具だって好きな人だって奪って、酷い言葉をかけて……だから今回もきっとお姉さまのせいよ! 違いないわ!」
「そう、だとしても……」
「お母さま! どうにかして! エッドを取り戻して!」
「それは難しいわ、だって……もうはっきりと言われてしまったのでしょう。破棄後にやり直すというのはさすがに……」
すると泣き出すアンレ。
「お母さままでお姉さまに協力するのね!? 許せない!! 最低だわお母さま酷すぎる悪魔!!」
その後しばらくあれこれ揉めていたようだが、結局エッドの心は変わらず、そのまま婚約破棄となったようだった。
しかも後に判明したのだが。
エッドが浮気していた、という話は嘘だったようだ。
彼もまた偽りの情報をアンレに流されていたのだ――それを知って、改めて気の毒にと思った。
その一件以降、アンレは壊れていった。
「ひどいひどいみんなしてあたしのじゃまをするの、あたしがしあわせになれないようにおねえさまもおかあさまも……さいていだわひどすぎる、みんなあくまよあたしがふこうになるようにおとしいれてばかり……どうしてあたしだけしあわせにならせてもらえないのよいいじゃないしあわせになったって、かわいいだから……ああきっとしっとしてるんだわ、あたしがとてもかわいいから、きっとそうよ……かわいさはつみね、あたしかわいいからみんなにいつもじゃまされるんだもの……」
一日中ぶつぶつと喋っているようになり、やがて段々食事をとらなくなっていって、その果てに栄養失調のような状態となって死亡した。
こうしてアンレはこの世から消えたのだった。
◆
あれから数年、私は大規模な服屋の息子と結婚し幸せに暮らしている。
今はもうアンレに絡まれることもない。
だって彼女はこの世にいないから。
それゆえ何の不安もなく愛しい人愛しき夫と共に楽しく穏やかに暮らすことができている。
もうアンレの影に怯えることはない。
私は純粋な幸せを掴むの。
◆終わり◆
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【短編】将来の王太子妃が婚約破棄をされました。宣言した相手は聖女と王太子。あれ何やら二人の様子がおかしい……
しろねこ。
恋愛
「婚約破棄させてもらうわね!」
そう言われたのは銀髪青眼のすらりとした美女だ。
魔法が使えないものの、王太子妃教育も受けている彼女だが、その言葉をうけて見に見えて顔色が悪くなった。
「アリス様、冗談は止してください」
震える声でそう言うも、アリスの呼びかけで場が一変する。
「冗談ではありません、エリック様ぁ」
甘えた声を出し呼んだのは、この国の王太子だ。
彼もまた同様に婚約破棄を謳い、皆の前で発表する。
「王太子と聖女が結婚するのは当然だろ?」
この国の伝承で、建国の際に王太子の手助けをした聖女は平民の出でありながら王太子と結婚をし、後の王妃となっている。
聖女は治癒と癒やしの魔法を持ち、他にも魔物を退けられる力があるという。
魔法を使えないレナンとは大違いだ。
それ故に聖女と認められたアリスは、王太子であるエリックの妻になる! というのだが……
「これは何の余興でしょう? エリック様に似ている方まで用意して」
そう言うレナンの顔色はかなり悪い。
この状況をまともに受け止めたくないようだ。
そんな彼女を支えるようにして控えていた護衛騎士は寄り添った。
彼女の気持ちまでも守るかのように。
ハピエン、ご都合主義、両思いが大好きです。
同名キャラで様々な話を書いています。
話により立場や家名が変わりますが、基本の性格は変わりません。
お気に入りのキャラ達の、色々なシチュエーションの話がみたくてこのような形式で書いています。
中編くらいで前後の模様を書けたら書きたいです(^^)
カクヨムさんでも掲載中。
もう好きと思えない? ならおしまいにしましょう。あ、一応言っておきますけど。後からやり直したいとか言っても……無駄ですからね?
四季
恋愛
もう好きと思えない? ならおしまいにしましょう。あ、一応言っておきますけど。後からやり直したいとか言っても……無駄ですからね?
婚約者の母親に虐げられていましたが敢えて捨てられることで縁を切ることができました。~彼女らは勝手に破滅していったようです~
四季
恋愛
婚約者の母親に虐げられていましたが敢えて捨てられることで縁を切ることができました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる