婚約者に少しも相手してもらえず放置され続けていた姫は一旦母国に帰ってから幸せを掴むのでした。

後編

　◆


　婚約破棄から一年、タスマンの国は滅んだ。

　タスマンと結婚したリフアンが王子の妻という立ち位置を利用して好き放題贅沢をし過ぎたために、国のお金がなくなり、その影響によって国は崩壊していったのであった。

　ちなみに、タスマンを含む王族らは、最終的には皆処刑された。

　国に迷惑をかけたからである。
　新政府は彼らを許さなかったのだ。

　また、すべての元凶リフアンはというと、怒った国民らに襲われて殴る蹴るの暴行を加えられた果てにその場で死亡した。

　彼の周囲には「結婚したのがウェイリア様であれば……」とぼやく者も多かった。

　一方ウェイリアはというと、晩餐会にて顔を合わせた隣国かつ大国の王子と結ばれる。

　その王子は善良な人物。
　少々おっとりしたところがあるものの、心は広く、そして何よりもウェイリアのことを大切に思っていた。

　それゆえウェイリアは心がとろけてしまうほどに愛された。

　彼女は幸せだった。
　いつも穏やかに微笑んでいられた。

　多くの嵐に見舞われ、それでもなお、荒れた道の果てに幸せを掴んだのだ。


◆終わり◆