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3話
しおりを挟むその後継母に当たり散らされることがさらに増えた。しまいにはアルファの死が私のせいであるかのようにまで言うようになってきていて。継母の心は壊れつつあるのだろう、そうひしひしと感じた。愛していた娘を失った今、彼女には正気などありはしないのだ。だから最悪な侮辱だってできるのだろう。
ただ、そんな日々は地獄で、正直かなり辛いものであった。
理不尽だし。
身勝手だし。
意味不明だし。
だから私は毎晩空の星に願っていた。
――この苦しみから解放されますように。
そんなことを。
そうして迎えた二十三の春、私についに救いの手が差し伸べられた。
「貴女に惚れました」
継母に参加を押し付けられたパーティーにて、ありのままの私を認めてくれる人に出会えたのだ。
「どうか、将来を考えつつ……これからしばらく交流してくださいませんか」
私は彼の手を取った。
彼がどんな人だとしても今の環境にいるよりかはずっとまし。
もし嫌なことがあったとしても、それでも、この地獄に居続けるよりかはずっといい。
そう思ったからこそ、まだあまり知らない彼の手を取ることを選んだのだ。
だが結果的には幸せになれた。
彼はとても良い人だったのだ。
「今日は海でも見に行きませんか? エレメアさん」
「素敵ですね」
「では共に行きましょう!」
「良い案ですね、ありがとうございます」
私は今、彼と結婚し、幸せに暮らしている。
この胸に闇はない。
それらはすべて浄化されて消えたかのようだ。
彼と過ごす時間に苦しみは少しもない。
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