いきなり婚約破棄を告げられました。~一人娘とされている私には実は妹がおりまして~

四季

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前編

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「お前、可愛い見た目してるから良さそうに思えたけど、実際は外れだったわ。てことで、婚約は破棄な」

 その日、私は、いきなりそんなことを告げられてしまった。

「あーあ。ビジュアルで決めるんじゃなかったわー。お前がこんな外れとはな。驚きだわ。というか、お前と婚約してたことがあるとか、人生の汚点になりそうだわ。あー後悔後悔。後悔する前に外れって気づけりゃ良かったのになー、あーあー」

 婚約した頃、彼エルビスは優しかった。
 いつも眩しいくらいの笑みを向けてくれて。
 そんな彼が好きだった。

 でもそんな彼は消えてしまった。

 彼はもう私に笑みを向けはしない。

「あーもうお前の顔見るだけで落ち込むわ。てことなんで、視界から消えてくれな? ばーいばい」

 こうして私はもう彼の前に姿をさらせなくなってしまった。

 楽しかった日々は確かにあった。
 でもその思い出さえも今は幻のように感じられて。

 私は幻の中にいたのではないか?

 そう思ってしまうほどに。

 楽しく満ちた日々は終わりを迎えた。
 あの日々はもう戻らない。

 私は実家へ戻る。
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