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前編
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「婚約、破棄したから。あの婚約者、あんたにあげるわ」
その日、姉は、さらりとそのようなことを告げてきました。
「あんたなら地味だしぴったりじゃん? はは」
言われた瞬間は何が何だか分からずただ戸惑うことしかできなかったのですが……話を聞いているうちに姉には他の男がいてそちらとくっつきたいと思っているということが判明しました。どうやら、そういう事情で、今の婚約者とは別れたいようなのです。
彼のことは気の毒に思えますが……。
でも、まぁ、そういうことなら仕方ないのかもしれません。
姉は基本的に自分中心な思考の持ち主。他者のために己の意思を曲げるということは絶対にしない人です。姉のそういうところに多々困らされてきた妹だからこそ分かるのです。そんな彼女ですから、婚約者が相手だからと気を遣ったりはしないでしょう。自分が嫌と思えば切り捨てる、それが姉らしい選択です。
◆
その後、私は、姉が切り捨てた相手であるオーガニと会うことになりました。
「オーガニと申します。ええと……貴女、が」
「妹のエリアです。姉がご迷惑おかけしました。婚約破棄とか何とか姉が勝手を言って申し訳ありません」
「い、いえいえ! 妹さんに罪はありませんよ!」
私はオーガニに良い印象を抱きました。
その日、姉は、さらりとそのようなことを告げてきました。
「あんたなら地味だしぴったりじゃん? はは」
言われた瞬間は何が何だか分からずただ戸惑うことしかできなかったのですが……話を聞いているうちに姉には他の男がいてそちらとくっつきたいと思っているということが判明しました。どうやら、そういう事情で、今の婚約者とは別れたいようなのです。
彼のことは気の毒に思えますが……。
でも、まぁ、そういうことなら仕方ないのかもしれません。
姉は基本的に自分中心な思考の持ち主。他者のために己の意思を曲げるということは絶対にしない人です。姉のそういうところに多々困らされてきた妹だからこそ分かるのです。そんな彼女ですから、婚約者が相手だからと気を遣ったりはしないでしょう。自分が嫌と思えば切り捨てる、それが姉らしい選択です。
◆
その後、私は、姉が切り捨てた相手であるオーガニと会うことになりました。
「オーガニと申します。ええと……貴女、が」
「妹のエリアです。姉がご迷惑おかけしました。婚約破棄とか何とか姉が勝手を言って申し訳ありません」
「い、いえいえ! 妹さんに罪はありませんよ!」
私はオーガニに良い印象を抱きました。
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