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2話

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「俺たち、運命の相手なんだ。もう決して離れられない。これは運命だよ。……だから、お前との婚約は破棄することした。いいな? ちゃんと伝えたからな?」

 言って、ボレロは横の女性と抱き合う。

 ……運命の相手って、そんな生々しいものなの?

 さすがに引いてしまった。

「ごめんなさい~婚約者さん~。わたし、昔から、意図せず異性に愛される傾向があって~」
「なぁ、でも、俺らは特別だろ?」
「もちろんよ~。愛してくる人はたくさんいたけれど、あなただけは特別なの~」

 人の目があるところで抱き合ったり腕を絡め合ったり超至近距離で見つめ合ったり、どう考えても不自然ではないか。

「そういうことだから、お前はとっとと消えてくれよな」
「はい。……さようなら」

 その日、私たちの関係は終わった。
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