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後編
しおりを挟む「朝食、もう用意できてるよ」
「はやっ!? さすがね、アズレボス。貴方って本当にお母さんみたいな良い人」
「え、照れる……」
「じゃあいただくは、朝食」
「あ、そうだね! じゃあ全部出してくるよ!」
「ありがとう、本当に助かるわ」
かつて彼女を身勝手な理由で切り捨てたアズレッタはもうこの世にはいない。
惚れた女の策に乗せられた彼はブラックな世界へ足を踏み入れてしまい、気づいた時には逃げられなくなっていて、そのまま闇の世界にて事件に巻き込まれて死亡したのだ。
つまり、彼の最期を知る者は一般社会にはほとんどいないのである。
「どう?」
「美味しいわ! 最高! ふふ、やっぱりアズレボスの料理は素晴らしいわね。とっても美味しいし、見た目もとっても素敵だし」
「凄く褒めてくれるね」
「何を驚いているの? いつもじゃない」
「まぁそっか」
「いつもありがとう!」
「え、照れる……」
クルリラはこれからも愛する人と共に笑顔で生きてゆくことだろう。
彼女が進む道、それを分断するものは何もない。
だからこそ真っ直ぐに。
光の射す優しい道を進んでゆけるに違いないのだ。
「いつも言うわね、そういうの」
「え、まずかった……?」
「いいえそういう意味じゃないわ、むしろ褒めようとしているくらいよ」
「そっか、なら良かった……安心したよ」
◆終わり◆
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