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前編
しおりを挟む驚くようなこと。
それは一見作られるもののようで、現実にも時折ねじ込まれてくるものだ。
「ミルフィア、君との婚約は破棄とすることにした」
婚約者ボロテックから婚約破棄を宣言される。
これもまた一つの驚きだ。
「え……」
「ずっと考えていたんだ。ミルフィアと生きてゆくので本当に良いのだろうか、と」
「そうですか……」
直接言われると何とも言えない気分だ。
本当に良いのだろうか、とか。
そういうのは心の中に置いておいてほしかった、と思ってしまう部分は確かにある。
正直なのは悪いことではないけれど。
でもやはりそんな風に言われたら傷つく。
「で、考えに考え抜いた結果、やはりやめようと思ったんだ」
「やめようと……」
「いきなり伝える形になって悪いなとは思っているんだ。だが、やはり、自分の心に嘘はつけない。だから終わりにすることにした。そして、君よりもっと良い人、より良い相手を探すことにしたんだ。やはりどうしても思ってしまう、妥協したくない、と。だから……悪いな」
ボロテックはあまり罪悪感は抱いていないようだった。
表情も声もさらりとしている。
ただ、話が長い!
聞いていてもちっとも楽しくないし、憂鬱さが高まってゆくばかり。
複雑な心境だ。
そんなこと、直接本人に言わなくていいのに。
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