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2話
しおりを挟むだがその第一弾はすぐにやって来た。
「ただいま母さん……」
「聞いて! さっき事件があったの!」
「か、母さん? どうしたの? そんな慌てて、一体……」
「拾ってた宝くじあったでしょ!?」
「あ、うん。前に言ってたやつね。父さんが拾ったとか何とか」
「あれが一等だったのよ!!」
母の言葉にハッとする。
……もしかして、これ、占い師の言っていた?
「嘘でしょ、そんなことって……信じられないわ……間違いではないの」
「間違いかと思ったのよ、私たちも。でも本当に当たっていたの! 既に国から連絡も来てるのよ」
「あ、あり得ない……」
「貴女が婚約破棄されたって聞いて心配していたのだけれど、まさかのこんなことになってしまって。母としては、むしろ早く帰ってきてほしいと思ってしまったわ」
女性占い師の言葉も完全な嘘ではないのかもしれない。
この件で私は少しだけあの発言を信じるようになった。
実際に良いことが起きたとなったら、人間、大抵あっさり信じるようになってしまうものだ――それはある意味馬鹿みたいなことかもしれないけれど、人の心というのはそういうものだし、当然といえば当然のことなのだ。
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