私を虐めた婚約者の母親とそれを見て見ぬふりしていた婚約者には、姉から罰がくだされました。

四季

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「ああ、可愛いリーン、本当に婚約してしまうのね……」

 私には五つ年上の姉がいる。
 彼女の本職は何でも屋だ。
 表向きにはそのことは明らかにはされていないけれども、黒いことも含めて、仕事となれば何でもしている。

 そんな彼女だが、私のことはとても大切に思ってくれている。

 ……少し過保護だとも思うくらいに。

「大層ね姉様」
「大丈夫かしら。彼、リーンを本当にきちんと守ってくれるのかしら」
「大丈夫よ。それに、私だって赤ちゃんじゃないわ。だから、自分の身くらい自分で守れるわ」

 そんな姉は、私が青年ルクレツオと婚約すると決まった時、とても心配してくれていた――正直私は過剰なのではと思っていたのだけれど。

「そう……だと良いのだけれど……」
「姉様、まだ心配?」
「当たり前じゃない、いつだって心配よ」
「婚約しても、結婚しても、会えなくなるわけじゃない。だから大丈夫よ、姉様、そんな泣きそうな顔をしないで」

 ルクレツオとの婚約、それは、この家を出ていくということを同義だ。
 婚約と同時に彼の家に一緒に住むということになっているから。
 それは彼と彼の母親が望んだことなのだ、母親を一人にはできないと彼が言って――。

「そうよね……うう、でも泣きそう」

 そう言って、彼女は私を抱き締める。

「幸せになってね」
「ありがとう、姉様」

 こうして私はルクレツオの家へと向かった。

 そして始まる。
 新しい生活が。
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