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前編
しおりを挟む婚約者の彼ルトニウスにはずっと忠実に付き合ってきたというのに。
「お前はもう要らん! 婚約は破棄だ!」
そんな心ない言葉を突きつけられて。
しかも、首には刃物をあてがわれていた。
「どうして……どうして、こんな……」
「はぁ? もう要らねえってことだよ、それだけだ」
彼が少し手を動かせば私は死ぬかもしれない。
それは凄まじい恐怖を伴う。
でも小心者で無力な私は小さく震えていることしかできない。
「お願いです殺さないでください……」
「そりゃあ無理な願いだな。だってお前がこの世にいたら俺が悪く言われるだろ」
「言わせませんから、どうか……どうか許してください……」
「死んでもらう!」
――その日私は殺された。
だが死後に状況は一変した。
天使に拾われた私は、彼へ復讐するという目的のもと、短時間だけあの世界へ戻れることとなったのだ。
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