価値観の違いはどうしようもないですね。~そして彼は葬られる~

四季

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前編

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 ずっと大事に育ててきていた花が、今日、ついに咲いた。

 そしてそのことを婚約者コルクに話したのだが……。

「はぁ? 花? どうでもいいことで喜ぶなよ、子どもかよ、馬鹿だな」

 真顔でそんなことを言われてしまった。

 しかも、そこからさらに「想像以上に馬鹿だな、お前って」とか「花とかどーでもいいもんで喜ぶ女と結婚とか絶望だわ」とかあれこれ続けられてしまって、しまいに「酷いです!!」と言ってしまい――それによって、コルクから婚約の破棄を告げられてしまった。

 婚約破棄の理由は、生意気だから、だそうだ。

 ――だが、その日の晩、彼は落命することとなった。

 その晩、家の近くの公園で一人寛いでいたところローブを着た何者かに刃物で襲われたらしくて。抵抗するも何度も刺されてしまって倒れ、そのまま彼はこの世を去ってしまったのだそう。

 で、その犯人というのが、実は彼の元恋人の女性だったらしい。
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