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3話
しおりを挟む「ですから私は付き添いで……」
「既婚者なのか?」
「いえ……それは、違いますが……」
「では! 僕の妻となってくれ!」
隣にいるミレニニはその場で膝から崩れ落ち泣き出してしまった。
お姉様酷い、などと叫び、両手で顔を隠して号泣する。
だがフリュイ王子はというと、うるさいなぁ、とばかりに一瞬視線を向けたのみだった。
「改めて……僕はフリュイ、君の名は……」
「ウィレニといいます」
「おお! ウィレニさん! 素晴らしい名だ!」
「あ、い、いえ……」
こうして喋っている今も、隣ではミレニニが泣いている。
気まずい……。
「皆さん! 僕の本日のパーティー参加はここまでとします! あとは皆さんで楽しんでください!」
私はフリュイ王子に手を引かれ会場から出てゆくこととなった。
もちろんミレニニはその場に放置で。
気まずくて胃が飛び出しそうだったけれど、王子たる人に抵抗することもできず、私はそのまま彼についていくことしかできなかった。
「今日は来てくださってありがとう、ウィレニさん」
バルコニーで、二人、風を浴びる。
「……いえ、何度も言いますが私は妹についてきただけです」
「なぜ? 参加は参加では?」
「私は引き立て役ですから」
「なっ。引き立て役!? 君が!? あの妹さんが、ではないのか!?」
「私が、ですよ」
「妹さんに頼まれて、とか?」
「そうです」
「……そうか。だが! そんなことはどうでもいい! 今日来てくれてありがとう、ウィレニさん」
こうして私はフリュイ王子に選ばれ彼と結婚することとなった。
想像してはいなかったけれど。
未来の王妃となったのである。
一方ミレニニはというと、あの後親が用意した男性とほぼ強制的に婚約させられたそうだ。だが、私の嘘の悪口を言い広めようとしたためにフリュイ王子とその父親である国王の怒りを買ってしまい牢に入れられてしまい、彼女の悪しき行いを知った婚約者からは婚約破棄を告げられたらしい。また、ミレニニはその後もまったく反省していない様子だったために、最終的に処刑されたようだ。
◆終わり◆
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