「お姉さまみたいな地味な人を愛する殿方なんてこの世にいなくってよ!」それが妹の口癖でした、が……

四季

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2話

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「バルコニーへ出ませんか?」
「あの……本当に私で良いのでしょうか」
「そうです。お話を、と思いまして。どうでしょうか? 嫌ならもちろん断っていただいても」
「い、いえ! ぜひお願いしたいです!」

 隣にいるルーネは悔しさからか顔を真っ赤にしていた。

「では行きましょう」
「はい……」

 こうして私は青年パトレットと話をすることとなったのだった。

 ――それから数十分、話を終えて元の場所へ戻るとルーネがハンカチを噛みながら一人怒りを爆発させていた。

「何なのよあの男! このあたくしを相手にせず姉を!? ばっかじゃないの!! あんな地味でつまらない女に興味を持つなんて! はぁ~ぁ、ほんとあり得ないわ。最低最低最低最低!!」

 皆、その行動を恐れてか、ルーネから距離を取っている。

 無理もないか……。

「ああもういらいらする! いらいら、いらいら、いらいらするッ!! 生意気なのよ姉も! 姉のくせにあたくしのより目立つなんて! 大人しく引き立て役をしていればいいっていうのに! 最低!!」

 その後一旦パトレットと別れてルーネと家へ帰ることになったのだが、帰りは非常に気まずかった。
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