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「カルタは? 愛していなかったの?」
「楽しくて、つい……」
「愛していなかったの?」
「その……実、は、可愛いとは思っていたけど……」
「でしょう? だからカルタと幸せになって。さようなら」
裏切りの代償は小さくない。
「ま、待って! 君と結婚した暁に返済免除されることになっていた借金はどうなる……!?」
「普通に考えて、返済免除にはならなくなるでしょうね」
「そんな……! やっていけない……!」
「知らないわ。なんならカルタに頼んでみたら?」
その日、テレカはタイプーンの前から去った。その後彼女がテレカに会うことはなかった。テレカは婚約破棄の手続きだけを淡々と進めていく。
そして二人の関係は終わった。
後日、カルタは事情を知り激怒したテレカの父親から、勘当を言い渡されることとなる。
当初は「姉様に魅力がないのが悪いのよ! 私は悪くないわ!」と主張し強気だったカルタだが、着の身着のまま家から追い出された。
風の噂によれば、家から追い出された後カルタはタイプーンのところへ行ったらしい。その時のカルタはまだわりと強気で「あんな家にいなくても居場所は別あるからいい!」と言っていたようだ。だが、やって来たカルタに対し、タイプーンは「もう関わるのはやめる」と告げた。
タイプーンは自身の行いを悔いていた。すべてを失ったことで、ようやく現実が見えるようになったのだ。恋という名の魔法は既に解けていた。
拒んだタイプーンに腹を立てたカルタは、次の日、刃物を持って彼のもとへやって来る。そして、正気を失ったように叫びながら、タイプーンに襲いかかった。が、運良く刺されなかったタイプーンによって通報されてしまう。
カルタは治安維持組織に殺人未遂として拘束された。
タイプーンは無傷だった。が、刃物で襲われたショックは小さくなく、恐怖から心を病んでしまった。その後のタイプーンは、来る日も来る日も、何者かに刃物で襲われる妄想に怯えていた。
ちなみにテレカはというと、両親と仲良く暮らし始めた。
そして数年後、一人の青年と出会って、時間をかけて仲を深めた後に結婚した。
◆終わり◆
「楽しくて、つい……」
「愛していなかったの?」
「その……実、は、可愛いとは思っていたけど……」
「でしょう? だからカルタと幸せになって。さようなら」
裏切りの代償は小さくない。
「ま、待って! 君と結婚した暁に返済免除されることになっていた借金はどうなる……!?」
「普通に考えて、返済免除にはならなくなるでしょうね」
「そんな……! やっていけない……!」
「知らないわ。なんならカルタに頼んでみたら?」
その日、テレカはタイプーンの前から去った。その後彼女がテレカに会うことはなかった。テレカは婚約破棄の手続きだけを淡々と進めていく。
そして二人の関係は終わった。
後日、カルタは事情を知り激怒したテレカの父親から、勘当を言い渡されることとなる。
当初は「姉様に魅力がないのが悪いのよ! 私は悪くないわ!」と主張し強気だったカルタだが、着の身着のまま家から追い出された。
風の噂によれば、家から追い出された後カルタはタイプーンのところへ行ったらしい。その時のカルタはまだわりと強気で「あんな家にいなくても居場所は別あるからいい!」と言っていたようだ。だが、やって来たカルタに対し、タイプーンは「もう関わるのはやめる」と告げた。
タイプーンは自身の行いを悔いていた。すべてを失ったことで、ようやく現実が見えるようになったのだ。恋という名の魔法は既に解けていた。
拒んだタイプーンに腹を立てたカルタは、次の日、刃物を持って彼のもとへやって来る。そして、正気を失ったように叫びながら、タイプーンに襲いかかった。が、運良く刺されなかったタイプーンによって通報されてしまう。
カルタは治安維持組織に殺人未遂として拘束された。
タイプーンは無傷だった。が、刃物で襲われたショックは小さくなく、恐怖から心を病んでしまった。その後のタイプーンは、来る日も来る日も、何者かに刃物で襲われる妄想に怯えていた。
ちなみにテレカはというと、両親と仲良く暮らし始めた。
そして数年後、一人の青年と出会って、時間をかけて仲を深めた後に結婚した。
◆終わり◆
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