愛はいつか消えた

四季

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愛はいつか消えた

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手を取り合って
視線を絡めれば
とても愛おしく
いつまでもこうしていたいと思った

私たちはいつまでも
こうしていられるものと思っていたから
何も怖くはなかった
無条件に貴方を信じていた

でも――

貴方は私を裏切った
裏でこっそりと
他の人と愛を深めて
私とよりも
手を取り合って
視線を絡めていた

その真実を知った瞬間はまるで落雷のようで

すべてが燃え尽きるような
そんな気がした

手を取り合って
視線を絡めれば
とても愛おしく
いつまでもこうしていたいと思っていた

けれども今は
もう何も思えない
共にいたいと
そう思う心さえ
薄れていってしまった

愛しているのか
愛していないのか

それすら分からない

己のことが分からない

だから――

婚約の破棄を告げられた時は
どこかすっきりしたようで
晴れわたる空を泳ぐような心で
歩める気がした

未来は徐々に拓かれてゆく
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