本を返すため婚約者の部屋へ向かったところ、女性を連れ込んでよく分からないことをしているところを目撃してしまいました。

四季

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後編

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「ありがとうございました」
「こちらこそ……ごめんなさいね、こんなことになってしまって」
「いえ。お義母さんには感謝しています」
「馬鹿息子が迷惑をかけてしまったわよね、本当に申し訳ありませんでした」

 アルビシレの母親は最後まで善悪を分かっている良い人だった。

「い、いえ! そんな! やめてください、お義母さんには感謝しているんです! ……お別れは寂しいですが、さようなら」

 でも、今日、私とアルビシレの関係は終わる。それは、アルビシレの母親との関係もまた終わるということで、今後はもう彼女にも会うことはないだろう。

 あんなことをしたアルビシレは許せない。

 でも彼の母親には感謝している。


 ◆


 その後、ある夜会に参加した際に国王の親戚の男性に見初められた私は、十も年上のその男性と結婚した。

 年齢は離れている。
 けれども私たちの心の距離は近い。

 今はとても幸せだ。

 アルビシレとあんな終わり方となってしまったことは残念だったが――そのおかげで今日を迎えられたのだとしたら、あれはあれで一種の幸運だったのかもしれない。

 過ぎたこと、すべて、無駄だったとは思いたくない。


 ◆


 あれから五年が過ぎた。

 最近知ったことなのだが、アルビシレは私との婚約が破棄となった直後に『同意なく女性を性的に利用した』という罪で拘束されたそうで、処刑されたそうだ。

 あの日に関わっていたミーチェという女性がアルビシレからお礼のお金を貰えなかったために怒り、あの時の行為を国に犯罪として訴え、その結果大事になってしまったそうで。

 で、その結果、アルビシレはそういうことになってしまったのだそうだ。

 ちなみに私は今も夫婦で仲良く暮らしている。

 もうしばらく経つが、私も少し前から個人でボランティア活動を始め、貧しい地域や貧しい人々を支援するため動いている。


◆終わり◆
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