上 下
3 / 3

3話

しおりを挟む
 ◆


 あれから数年が経ち、私は結婚することになった。
 結婚式は盛大に執り行われて。
 祝福の渦の中、私は、愛する人との一歩を踏み出せることとなった。

 ここへ来るまで色々あった。主にウォリスとルルナ関連で。嫌なこと、胸が痛いこと、主に負の意味で色々あった。けれどもそれを越えた先にこの幸せがあったのだから、あの嫌な出来事たちも無駄ではなかったのだと今は思えるようになっている。

 これからは夫婦で前を向いて歩いていこうと思う。

 そうそう、そういえば。

 ウォリスはあの後酒の飲み過ぎで臓器を悪くし、同居している親から酒を禁止されてしまったそうだ。で、そのことに苛立っていたある晩、彼はちょっとした口喧嘩の最中衝動的に母親を殺めてしまったそうで、それによって人殺しとして牢に入れられることとなったらしい。

 彼は今も生きているようだが、それはそれは惨めな暮らしをさせられているそうだ。

 労働力を搾り取られる日々。
 自由などありはしない。
 朝から晩まで奴隷のように使われるだけの人生。

 可哀想に。

 でも、すべては彼の行動が招いたことだ。


◆終わり◆
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...