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夕暮れ時の赤い空を
しおりを挟む夕暮れ時の赤い空を
白い鳥が駆け抜けてゆく
いいえ
駆けるのではない
その
美しい翼をはためかせて
飛んでゆくのだ
それこそ
駆け抜けるかのような
滑らかで
速やかな
軽やかな調子で
そんな光景を目にした時
ふとあなたを思い出す
わたしを愛してくれていたのに
いつからかそうではなくなって
いつしか去っていったあなた
婚約破棄
悲しい鐘は今も鳴る
あなたとの日々
あなたとの時間
それは
どんなものよりも愛おしかった
お金でも買えない
それほどに愛おしく
そして
ああ今も眩しい
そう感じるほどの特別なものだった
婚約破棄
悲しい鐘の音は消えず
夕暮れ時の赤い空を
白い鳥が駆け抜けてゆく
いいえ
駆けるのではない
その
美しい翼をはためかせて
飛んでゆくのだ
それこそ
駆け抜けるかのような
滑らかで
速やかな
軽やかな調子で
ああ
もうすべて過ぎ去ったというのに
どうしてだろう
今もまだ
深い悲しさや切なさが
心に根差している
婚約破棄
悲しい鐘の音が空に響く
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