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1話
しおりを挟む「ずっと一緒にいようね!」
「ああ、もちろん」
子どもの頃家が近所で幼馴染みであった私ディアナと彼ボーノ、二人は将来を誓い合ったほどの仲であった。
そして一定の年齢になればすぐに婚約を交わした。
「ボーノ、これからもよろしくね」
「ああ!」
「いつまでも、永く、ずっと――二人で生きていきましょう、どこまでも」
「ああそうだな! 俺たちなら絶対に大丈夫だ。どこまでだって行ける、どんなことだって乗り越えられる、間違いない!」
婚約を交わした日だって、私たちは互いを見つめ合っていた。
新しい恋じゃない。
だから新鮮さやときめきはそれほどないかもしれない。
でも私たちにはそんなものを超えるほどの絆がある、だから大丈夫。
「ディアナ、幸せにするよ!」
「ありがとう!」
――そう思っていた、のに。
「ごめんディアナ、俺、彼女に惚れたんだ」
結婚を間近に控えた冬、ボーノは突然見知らぬ女性を連れて私のところへやって来た。
「だから、婚約は破棄する」
彼は私の返事を聞くより早く自身の決定を口にした。
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