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3話
しおりを挟むそれから少しして、父はボーノの行いを彼が勤めている会社に流した。
というのも、その会社の社長は男性ながらかつて身勝手な妻に浮気され酷い目に遭わされて離婚したという経験の持ち主なのだ。
それゆえ男女関係のあれこれには非常に厳しい。
過去の絶望、そして、トラウマがある――だからこそ、そういうジャンルにおける道から外れた行動や選択を常々とんでもなく嫌っているのだ。
父はそれを利用した。
で、事は予想通りに進み。
社長は案の定激怒し、ボーノをクビにした。
つまり、ボーノはある日突然職を失うこととなったのだ。
こうして路頭に迷うこととなったボーノ。職を失ったことでリリアイリーナにも捨てられ、彼は身体以外の何もかもを失うこととなってしまった。愛していた女性も、仕事も、稼ぎも、人々からの信頼も。ありとあらゆるものを手放さざるを得ないこととなってしまったのだった。
その後ボーノは一度私のところへやって来て「生活が苦しいのでやり直してほしい」と言ってきたけれど、はっきり断った。
それからのボーノのことは詳しくは知らないけれど、噂によれば、何やら悲惨な人生となったようであった。
ま、自業自得としか言えないけれど、ね。
一方私はというと、ボーノとの縁は失ってしまったけれどその後しばらくして条件が非常に良く性格も良い男性から求婚されたのでその人と結ばれる道を選んだ。
結婚後も彼は私のことを大事にしてくれている。
彼を伴侶に選んで良かった。
長い期間関わってきた絆はなくとも。
ここからは彼と歩んでゆこう、どこまでも。
◆終わり◆
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