幼い頃から剣術を教わってきた私はある日突然婚約破棄されたのですが、その後英雄となり……!?

四季

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後編

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「できるだろ? 剣だって使えるわけだし」
「話が違います!」
「うるせえ女だなぁ。あんたみたいなやつに男は要らないんだ。あんたは男みたいに戦って生きてけよ、可愛くねえんだからよ」

 可愛くない、か……。

 確かにそうなのかもしれない。だって普通の女性は剣を使わないし戦いもしないのだ。彼女たちは逞しくないしもっと可憐。私とはそもそものところが違う。腕だってもっと細い。

「……分かりました」

 そんな風に言われたら、納得するしかないではないか。

 こうして、私とルガシの関係は終わりを迎えた。


 ◆


 あれから数ヶ月、私はこの国の英雄となった。
 伝説の剣を扱うことができたのだ。
 この国に伝わる剣の伝説――そこに出てくる戦士と同じように、私にはその剣を扱う才能があった。

「あなたこそが英雄の再来! どうか国を護ってください!」

 国王からそう頼まれ、私の人生は意外な方向へと進んでゆくこととなった。

 でもこれで良いのかもしれない。
 誰にも愛されないのなら。
 せめて何らかの形で誰かに必要とされたい。

 それが戦いという形だとしても――。

「はい。国のため、戦います」


 ◆


 数年後。
 私は敵国軍を退けたことが高く評価されて国王から表彰を受けた。

 そして、多額の報酬を手に入れることができた。

 私は真の英雄となった。
 多くの祝福を得ることができた。

 ちなみにルガシはというと、あの後事業が大失敗となった父親に勝手に売り飛ばされてしまい、奴隷として生きてゆくことになってしまったそうだ。

 もはや彼の道に光などない。

 いや、光どころか、人として扱われることさえきっともう二度とないだろう。


◆終わり◆
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