【完結】見えるのは私だけ?〜真実の愛が見えたなら〜

「これは政略結婚だ。おまえを愛することはない」

初めて会った婚約者は、膝の上に女をのせていた。
男爵家の者達はみな、彼女が見えていないふりをする。
どうやら、男爵の愛人が幽霊のふりをして、私に嫌がらせをしているようだ。

「なんだ? まさかまた、幽霊がいるなんて言うんじゃないだろうな?」

私は「うそつき令嬢」と呼ばれている。
幼い頃に「幽霊が見える」と王妃に言ってしまったからだ。

婚約者も、愛人も、召使たちも。みんな私のことが気に入らないのね。
いいわ。最後までこの茶番劇に付き合ってあげる。

だって、私には見えるのだから。


※小説家になろう様にも投稿しています。
24h.ポイント 127pt
683
小説 7,625 位 / 184,889件 恋愛 3,436 位 / 56,162件