愛してなんて言いませんが、一緒にいると何かとややこしいので私から離れてください。~貴方にできないなら私から切り捨てます~

四季

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後編

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 ◆


 決心から二週間、ルートヴィヴィがまた一人の女と深い仲に発展していたことが発覚した。

「ルートヴィヴィ、もう許さないわ」
「な、なんで、どうして? 急に? もう、そんなに怒らないでよ。一番好きなのはきみだよ、それは絶対だから。だから、安心してよ」

 彼はまたそんな曖昧なことばかり言う。

 事の重大さに気づいていないようだ。

「婚約は破棄します!!」

 私は迷いなく宣言した。

 これが一度目なら、もう少し手加減しただろう。誰でも一度くらい失敗はあるものだから仕方ない今後反省してくれるなら……、とそう考えたかもしれない。

 だが彼の場合は違う。
 もう数えきれないくらいこういうことを繰り返しての今だ。

「さようならルートヴィヴィ、もうここまでよ」


 ◆


 あの後ルートヴィヴィは残念な最期を迎えたようだ。

 一人の女性と結婚するも不倫が発覚。それによって激怒され、家から追い出される。彼は泣いて謝る、が、女性はもちろん許さないし相手にもせずで。夜の闇で彼はただ涙と鼻水を垂らして泣き続けた。そして、その果てに、野犬の群れに襲われて死亡してしまった。

 ――それが彼の結末だったようだ。

 一方私はというと、今は大規模農家の子息と結ばれ日々農場管理の仕事に追われている。

 が、苦痛ではない。

 というよりこれは私がやりたくてやらせてもらうようになったことなのだ。

 彼も、彼の両親も、私に仕事を手伝うようには求めていなかった。むしろ何もしなくていいというくらいに言ってくれていた。ただ、話を聞いたり色々見たりしているうちに段々ん興味が湧いてきて。それで私も何かしたいと思うようになり仕事を分けてもらうことにしたのである。

 今は生きがいを見つけられて幸せだ。


◆終わり◆
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