聖女として生きている私をたびたび無能聖女だと罵る婚約者王子は、私を捨てたことで死へと誘われてしまいました。

四季

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後編

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 ◆


 婚約破棄後、城内では怪しい事件が連続で起こるようになった。

 王族を殺そうと城に侵入する者が現れたり、放火犯がやたらと城に近づくようになったり、謎の地震に見舞われ城の一部分が壊れてしまったり――とにかくプットツェフとその周囲は災難まみれになってしまったようだ。

 で、しまいには、プットツェフは乗馬中に落下して転落死してしまったようだ。

 まぁ自業自得としか思わないが。

 でもまさかここまでとは。
 正直想像以上であった。

 やはり私は無能聖女ではなかったようだ。

 ああ、良かった。改めてそれを知ることができて。彼が落ちていったことを知ったことでより一層自分に自信が持てそうだ。そういう意味では彼の行動も無意味ではなかったよう。ならば、ありがとう、と思っておくべきか。彼はあの世へ逝ってしまったのできっともう二度と出会いはしないだろうが、一応今は彼に対しても多少は感謝の気持ちを抱いている。

 ちなみに私はというと、隣国へ出てそこで王子に見初められ結婚した。

 今は隣国の守り神となっている。
 私はここで聖女として生きてゆくのだ。

 愛してくれる人と共に、未来へ。


◆終わり◆
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