婚約破棄された翌日、女神を名乗る者からお告げがありました。

四季

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婚約破棄された翌日、女神を名乗る者からお告げがありました。

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「やはりお前は俺に相応しくない……よって! 婚約は破棄とする!」

 その日私は告げられてしまった。

 婚約破棄を。
 関係の終わりを。

「え、あの、お待ちください。婚約破棄とは? 本気なのですか?」
「当たり前だろう」
「そんな……」
「はは。お前が生意気なのが悪いんだよ! じゃあな!」

 こうして、婚約者アルクとの婚約は破棄となった。

 とても晴れやかな空の日だった。
 でも私の胸の内は明るくはなく。
 どこか切なさのある空気を吸っている気がした。


 ◆


 婚約破棄された翌日、まだうとうとしていると、女神を名乗る者から「明後日災害が起こります、皆にしらせて皆を護りなさい」と言われる夢をみた。

 私は村長夫妻である親にそのことを話す。
 父は国王にそのことを伝えてくれた。
 その結果、皆に連絡が行き、多くの者が避難し勝手な行動をせず備えた。

 そして言われていた日。

 その日は大嵐が襲ってきた。

 多少の犠牲は出た。が、それでも、皆が隠れていたので被害は最小限で済んだ。備えずその日が来たのと比べれば犠牲になる人の数もかなり減ったものと思われる。

 その後私は国王から直接礼を述べられた。
 そしてお礼としてお金も貰った。
 そのお金は村の発展のために使うことにした。


 ◆


 あれから三年、私は村の資産家と結婚し穏やかに暮らせている。

 ただ、忙しい部分もある。というのも、次期村長として勉強しなくてはならないことがたくさんあるのだ。読まなくてはならない本もやたらとある。

 でも、それを不幸とは思わない。

 これは私の道。
 これは私の定め。

 ならばそれに従う。

 あ、そうそう。
 アルクはというと、あの嵐の日に溢れかけている川の近くへ行っていて流され死亡してしまっていたらしい。
 彼は国からの発表を「嘘だろ、言ってるだけ言ってるだけ」と言って信じていなかったらしい。

 ま、わざわざ発表があったものを信じなかったのだから、自業自得だが。


◆終わり◆
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