56 / 207
episode.55 今日は快晴、お散歩日和
しおりを挟む
リゴールは相変わらず自信なさげな顔つきをしていたが、その発言は的を射ていた。
「……はい。また迷惑をかけることになってはいけないと思い」
デスタンは素直に頷いて述べる。
すると、リゴールはベッドからゆっくりと立ち上がった。
「良かった……! わたくしのことが嫌いになったというわけではなかったのですね……!」
自身よりずっと背の高いデスタンを見上げ、リゴールは嬉しそうに発する。嫌われたわけではないと分かり安心したらしく、外敵に怯える小動物のようだった顔面はほぐれ、柔らかな顔つきになっていた。
「何というか、すみません」
「いえ! 謝らないで下さい! 嬉しいことですから!」
子どものように無垢な笑みを浮かべるリゴールを目にしたからか、デスタンも若干柔らかい顔つきになっている。
険しい道を行くからこそ。
危機がすぐ傍に存在する暮らしだからこそ。
笑顔でいてほしい。
柔らかな雰囲気に包まれている二人を眺めていると、その思いが伝わったような気がして、私も少し嬉しくなった。
「ところでデスタン、貴方の怪我は問題ないのですか?」
「怪我、とは」
デスタンは首を傾げる。そんな、よく分かっていない様子の彼に対し、リゴールははっきり告げる。
「連れていかれる時、トランにやられた傷のことです!」
するとデスタンは、無表情のまま、ゆっくりと頭を縦に動かした。
「なるほど。それなら問題ありません。なぜか手当てされていましたので」
きょとんとした顔になるリゴール。
「な……手当てされていたのですか?」
「はい」
デスタンの短くもしっかりした返答を聞き、リゴールは面に安堵の色を滲ませる。
「それは良かったです。が、少し意外です。ブラックスターの者がそのような親切なことをするとは……あ、いえ! ブラックスターを悪く言っているわけでは! その……ないのですよ!?」
安堵の色を浮かべていたかと思えば、急に慌て出す。それも、何か言われたわけでもないのに。
リゴールの言動は、とにかく落ち着きがなかった。
「落ち着いて下さい、王子」
「あ。は、はい……すみません……」
デスタンが落ち着くよう言ったからリゴールは止まった。が、もしデスタンが落ち着くよう言わなかったとしたら、リゴールはもっとあたふたし続けていたことだろう。
「で、では……デスタン。いきなりで申し訳ありませんが、散歩にでもいきませんか?」
「なぜですか」
「実はわたくし、少し外の空気を吸いたかったのです」
「そうですか、分かりました」
背中に傷を負って以降、リゴールはずっとミセの家の中にいた。直後は一日のほとんどの時間をベッドに横になって過ごしていたし。数日が経過して動けるようになってきてからも、たまに家の中をうろつく程度だったし。だから、段々「外の空気を吸いたい」と思ってくるのも、無理はないだろう。
そんなことを考えつつ二人の様子を眺めていると、リゴールが突然こちらへ視線を向けてきた。
「構いませんよね? エアリ」
「え。どうして私なの」
「少しくらいなら外へ行っても問題ありませんよね?」
いや、取り敢えず私の発言も聞いてほしいのだが。
「え、えぇ。激しい運動でなければ大丈夫だと思うけど……」
「では少し、行って参ります!」
急展開過ぎてついていけない。
「ちょっと待って。どこへ行くの?」
「そこらまでのつもりですが……何か問題がありますか?」
散歩と言いつつ遠くまで行く、ということがあったらと思い、一応聞いてみたのだ。が、返ってきたのは「そこらまで」という答え。私は少し安心した。
「あ! もし良ければ、エアリも一緒に行きますか?」
「悪いわ。せっかく二人で語らえる時間なのに」
「いえ! わたくしはエアリも一緒の方が嬉しいです!」
なんのこっちゃら。
そうして私は、二人と一緒に家の外へ出た。
今日は快晴。
空は青く澄んでいて、ただ見上げるだけで心を爽やかにしてくれる。
「よく晴れていますね……!」
頼りない足取りで歩いていたリゴールは、家から出るや否や、感心したように瞳を輝かせる。
高台から見下ろす街。
溶け合うような、空と海の境界線。
言葉にならないくらい美しい光景だ。
「快晴だわ」
「実に素晴らしい。散歩にはもってこいですね……!」
リゴールは元気そうだ。ただ、足取りだけはまだ怪しさが残っているので、私は彼のすぐ横を歩くよう心がけた。よろけた時に素早く支えられるように、である。
一方デスタンはというと、後ろから、さりげなく私たちについてきていた。
それでいいの?
リゴールとデスタンが散歩する会なのではないの?
細やかな疑問は尽きないが、それらは無視して、私は足を動かし続けた。
「王子、家から離れていますが」
デスタンがそう発した時、私たちは、ミセの家からかなり離れたところまで来てしまっていた。
遠出をするつもりはなくて。でも、温かい日差しの中を、ゆったり歩いていたら、いつの間にやら結構移動してしまっていたのである。
「あ。そういえばそうですね」
雄大な印象を与える樹木を見上げながら、リゴールはあっさりと返す。
「遠出はしないという話だったのでは」
「そうですね。でも、自然の中にいると心が安らぐので、帰りたくなくなってきました」
最初こそ頼りない足取りだったリゴールだが、歩くことに慣れてきたのか、段々軽やかに歩けるようになってきている。
「話が違います」
せっかく楽しい散歩中だというのに、デスタンは不機嫌そうな顔をしている。
「まぁまぁ、そう固いことを言わないで下さい!」
「王子は警戒心が薄すぎます。何かあったらどうするのです」
「それはそうですが……。ただ、ずっとそんなことを言っていては、楽しみがなくなってしまいます。わたくし、そんな人生は嫌です」
警戒心の欠片もないリゴールに、デスタンは呆れ果てた顔をする。
「まったく……」
「もし何かあっても、エアリとデスタンがいてくれれば安心です!」
「なぜそんなに呑気なのですか……」
リゴールはご機嫌だ。
ただ、なぜか妙にわがままでもある。
「エアリ! もっと色々なところへ行ってみたいです!」
天真爛漫なのは良い。だが、ミセの家から離れすぎるのは、危険と言えるだろう。何か事件が起きたり敵に襲われたりした時にすぐに避難できないというのは、危険である。
「リゴール……今日はそろそろ戻った方がいいわ」
「……エアリ?」
「デスタンもああ言っていたし、そろそろ戻りましょうか」
やんわり提案してみたところ、「えぇー」というような顔をされてしまった。
「きっと、帰り道も色々見られるわよ」
「それはそうですが……」
「じゃ、決まりね!」
「は、はい……」
こうして、取り敢えず引き返すことにしたのだった——が、何もなく終わるはずがなかった。
「……はい。また迷惑をかけることになってはいけないと思い」
デスタンは素直に頷いて述べる。
すると、リゴールはベッドからゆっくりと立ち上がった。
「良かった……! わたくしのことが嫌いになったというわけではなかったのですね……!」
自身よりずっと背の高いデスタンを見上げ、リゴールは嬉しそうに発する。嫌われたわけではないと分かり安心したらしく、外敵に怯える小動物のようだった顔面はほぐれ、柔らかな顔つきになっていた。
「何というか、すみません」
「いえ! 謝らないで下さい! 嬉しいことですから!」
子どものように無垢な笑みを浮かべるリゴールを目にしたからか、デスタンも若干柔らかい顔つきになっている。
険しい道を行くからこそ。
危機がすぐ傍に存在する暮らしだからこそ。
笑顔でいてほしい。
柔らかな雰囲気に包まれている二人を眺めていると、その思いが伝わったような気がして、私も少し嬉しくなった。
「ところでデスタン、貴方の怪我は問題ないのですか?」
「怪我、とは」
デスタンは首を傾げる。そんな、よく分かっていない様子の彼に対し、リゴールははっきり告げる。
「連れていかれる時、トランにやられた傷のことです!」
するとデスタンは、無表情のまま、ゆっくりと頭を縦に動かした。
「なるほど。それなら問題ありません。なぜか手当てされていましたので」
きょとんとした顔になるリゴール。
「な……手当てされていたのですか?」
「はい」
デスタンの短くもしっかりした返答を聞き、リゴールは面に安堵の色を滲ませる。
「それは良かったです。が、少し意外です。ブラックスターの者がそのような親切なことをするとは……あ、いえ! ブラックスターを悪く言っているわけでは! その……ないのですよ!?」
安堵の色を浮かべていたかと思えば、急に慌て出す。それも、何か言われたわけでもないのに。
リゴールの言動は、とにかく落ち着きがなかった。
「落ち着いて下さい、王子」
「あ。は、はい……すみません……」
デスタンが落ち着くよう言ったからリゴールは止まった。が、もしデスタンが落ち着くよう言わなかったとしたら、リゴールはもっとあたふたし続けていたことだろう。
「で、では……デスタン。いきなりで申し訳ありませんが、散歩にでもいきませんか?」
「なぜですか」
「実はわたくし、少し外の空気を吸いたかったのです」
「そうですか、分かりました」
背中に傷を負って以降、リゴールはずっとミセの家の中にいた。直後は一日のほとんどの時間をベッドに横になって過ごしていたし。数日が経過して動けるようになってきてからも、たまに家の中をうろつく程度だったし。だから、段々「外の空気を吸いたい」と思ってくるのも、無理はないだろう。
そんなことを考えつつ二人の様子を眺めていると、リゴールが突然こちらへ視線を向けてきた。
「構いませんよね? エアリ」
「え。どうして私なの」
「少しくらいなら外へ行っても問題ありませんよね?」
いや、取り敢えず私の発言も聞いてほしいのだが。
「え、えぇ。激しい運動でなければ大丈夫だと思うけど……」
「では少し、行って参ります!」
急展開過ぎてついていけない。
「ちょっと待って。どこへ行くの?」
「そこらまでのつもりですが……何か問題がありますか?」
散歩と言いつつ遠くまで行く、ということがあったらと思い、一応聞いてみたのだ。が、返ってきたのは「そこらまで」という答え。私は少し安心した。
「あ! もし良ければ、エアリも一緒に行きますか?」
「悪いわ。せっかく二人で語らえる時間なのに」
「いえ! わたくしはエアリも一緒の方が嬉しいです!」
なんのこっちゃら。
そうして私は、二人と一緒に家の外へ出た。
今日は快晴。
空は青く澄んでいて、ただ見上げるだけで心を爽やかにしてくれる。
「よく晴れていますね……!」
頼りない足取りで歩いていたリゴールは、家から出るや否や、感心したように瞳を輝かせる。
高台から見下ろす街。
溶け合うような、空と海の境界線。
言葉にならないくらい美しい光景だ。
「快晴だわ」
「実に素晴らしい。散歩にはもってこいですね……!」
リゴールは元気そうだ。ただ、足取りだけはまだ怪しさが残っているので、私は彼のすぐ横を歩くよう心がけた。よろけた時に素早く支えられるように、である。
一方デスタンはというと、後ろから、さりげなく私たちについてきていた。
それでいいの?
リゴールとデスタンが散歩する会なのではないの?
細やかな疑問は尽きないが、それらは無視して、私は足を動かし続けた。
「王子、家から離れていますが」
デスタンがそう発した時、私たちは、ミセの家からかなり離れたところまで来てしまっていた。
遠出をするつもりはなくて。でも、温かい日差しの中を、ゆったり歩いていたら、いつの間にやら結構移動してしまっていたのである。
「あ。そういえばそうですね」
雄大な印象を与える樹木を見上げながら、リゴールはあっさりと返す。
「遠出はしないという話だったのでは」
「そうですね。でも、自然の中にいると心が安らぐので、帰りたくなくなってきました」
最初こそ頼りない足取りだったリゴールだが、歩くことに慣れてきたのか、段々軽やかに歩けるようになってきている。
「話が違います」
せっかく楽しい散歩中だというのに、デスタンは不機嫌そうな顔をしている。
「まぁまぁ、そう固いことを言わないで下さい!」
「王子は警戒心が薄すぎます。何かあったらどうするのです」
「それはそうですが……。ただ、ずっとそんなことを言っていては、楽しみがなくなってしまいます。わたくし、そんな人生は嫌です」
警戒心の欠片もないリゴールに、デスタンは呆れ果てた顔をする。
「まったく……」
「もし何かあっても、エアリとデスタンがいてくれれば安心です!」
「なぜそんなに呑気なのですか……」
リゴールはご機嫌だ。
ただ、なぜか妙にわがままでもある。
「エアリ! もっと色々なところへ行ってみたいです!」
天真爛漫なのは良い。だが、ミセの家から離れすぎるのは、危険と言えるだろう。何か事件が起きたり敵に襲われたりした時にすぐに避難できないというのは、危険である。
「リゴール……今日はそろそろ戻った方がいいわ」
「……エアリ?」
「デスタンもああ言っていたし、そろそろ戻りましょうか」
やんわり提案してみたところ、「えぇー」というような顔をされてしまった。
「きっと、帰り道も色々見られるわよ」
「それはそうですが……」
「じゃ、決まりね!」
「は、はい……」
こうして、取り敢えず引き返すことにしたのだった——が、何もなく終わるはずがなかった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
【コミカライズ決定】魔力ゼロの子爵令嬢は王太子殿下のキス係
ayame@アンジェリカ書籍化決定
恋愛
【ネトコン12受賞&コミカライズ決定です!】私、ユーファミア・リブレは、魔力が溢れるこの世界で、子爵家という貴族の一員でありながら魔力を持たずに生まれた。平民でも貴族でも、程度の差はあれど、誰もが有しているはずの魔力がゼロ。けれど優しい両親と歳の離れた後継ぎの弟に囲まれ、贅沢ではないものの、それなりに幸せな暮らしを送っていた。そんなささやかな生活も、12歳のとき父が災害に巻き込まれて亡くなったことで一変する。領地を復興させるにも先立つものがなく、没落を覚悟したそのとき、王家から思わぬ打診を受けた。高すぎる魔力のせいで身体に異常をきたしているカーティス王太子殿下の治療に協力してほしいというものだ。魔力ゼロの自分は役立たずでこのまま穀潰し生活を送るか修道院にでも入るしかない立場。家族と領民を守れるならと申し出を受け、王宮に伺候した私。そして告げられた仕事内容は、カーティス王太子殿下の体内で暴走する魔力をキスを通して吸収する役目だったーーー。_______________
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる