黙って様子をみていたら王子の行動が悪化してきまして――なので意見を言ってみたのですが、彼は激怒して婚約破棄とか言ってきました。

四季

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後編

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 私は希望を捨てはしない。

 前を向き続ける。

 ちなみにオッフェルはというと、ミレニアムと婚約したようだが、結構あれこれ好き勝手なことをされて扱いに苦労しているようだ。

 まぁ、ミレニアムは元々そういう人だったのだろうが……。


 ◆


 ――数年後。

 私は生まれ育った国を出て隣国の王子の妻となった。

 こんな未来は想像していなかった。
 でも今はとても幸せ。
 生まれたばかりの子を抱くことは時に辛いこともあるけれど、それ以上の平穏と幸福がここにはある。

 だから、この道を選んだことは間違いではなかったと思う。

 少なくとも今は。
 強くそう思っている。

 迷いは一切ない。

 そうそう、そういえば、オッフェルとミレニアムは一度結婚するもすぐに離婚となったそうだ。

 というのも、結婚式の翌日ミレニアムが彼の母親と言い合いになりその果てに数回ビンタしたそうで。

 それによってオッフェルの母親――現王妃が激怒。

 無礼者として、息子とミレニアムの関係を解消したうえ、ミレニアムを牢へ送ったそうだ。

 で、それから少しして、ミレニアムは処刑されたらしい。

 その一件によってオッフェルは自由恋愛を禁止され、後にまったく好きでない女性と再婚したそう。

 そうして今、彼は抜け殻のようになりながら生きているそうだ。

 まぁ、気の毒に……とは、正直思えない。


◆終わり◆
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