異世界恋愛短編集 ~婚約破棄されても幸せになることはできます~

四季

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婚約者がある朝突然婚約破棄を告げてきました。〜彼は私のことが嫌いなようです〜

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 婚約者である彼アンドリューが、ある朝、突然婚約破棄を告げてきた。

 彼は私のことが嫌いらしい。
 美しくないとかなんとかで。
 それで私と共には生きてゆかないことを決めたのだそうだ。

 そうして私は突如切り捨てられることとなった。

 悲しい……。
 意味が分からないし切ない……。

 ただ、それでも人というのは生きていかなくてはならないものだから、どんな心でいても歩むしかない。

 淡々と時は流れていった。


 ◆


 あの身勝手な婚約破棄から半年、私は今日婚約した。
 アンドリューに捨てられた時にはどうなることかと思ったけれど、色々あって心優しい人と巡り会うことができたので、今はとても幸せだ。
 そして、いずれはその幸せをくれた人と結婚できるのだから、こんなに嬉しいことはない。

「支え合って生きてゆきましょうね」
「ああ、そうだな」

 私は彼との明るい未来を信じる。

 そこに希望があることを。
 きっと幸福があることを。

 どこまでも、いつまでも、ただひたすらに信じ続ける。

「これからも緑茶でティータイムしような」
「ええ! もちろん」

 ちなみにアンドリューはというと、あの後複数の災難に見舞われたらしい。
 噂によれば、姉が怪しい男に騙され結婚詐欺に遭ったり、母親が心労で倒れたのを姑が馬鹿にして笑ったために大喧嘩になったり、などといった様々なことがあったそう。
 また、とどめに姉が自ら死を選び、それにショックを受けたアンドリュー自身も姉の後を追うように死を選択したそうだ。

 ゆえに、彼はもうこの世にいない。


◆終わり◆
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