紅の髪のせいで理不尽な目に遭わされてばかりでしたが、婚約破棄の向こう側に出会いと幸せがありました。

四季

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3話

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「だから、婚約破棄する」

 ……だが、まぁ、今の彼に何を言っても無駄か。

 私が何か言ったところできっとより一層嫌われるだけだろう。

 言わない方がいい。
 本心なんて。

 私が正直な心を口にしても、彼を怒らせるだけだ。

「本気なのですか?」
「当たり前だろう! 彼女を愛していて、彼女との未来も見えたんだ! 冗談なはずがないだろう、馬鹿かお前は。……俺は幸せになれる未来を選ぶ」
「そうですか……分かりました」
「ああ、分かったのだな。ではこれにて。永遠にばいばい、だな」

 こうして私は婚約破棄されたのだった。

 その話が地域の人たちに知れわたると「やっぱり変な髪色の女は駄目ね」とか「彼女、問題があるのは髪色だけじゃないみたいねぇ」とか言われてしまった。

 でも私は無視した。
 とにかく何を言われていても気にしないようにしたのだ。

 なぜって、そうしなければ心が壊れてしまうからである。

 私は私を守るために心を作る。

 そうやって生きてゆく。
 ただそうやって歩いてゆく。

 それだけが、その時の私にできることだった。
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