生まれつきたくさん食べてしまう性質を持っていた私はそれが理由で婚約者に嫌われてしまいました。

四季

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後編

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 ◆


 オープルーに婚約破棄を告げられた日から半年くらいが経った頃、私は、一人の青年と知り合った。

 青年の名はルクセンといった。

 街で見かけて惚れた、ということで、彼の方から声をかけてくれて。そこから関係は始まった。といっても最初は知人程度の関係ではあった、が、その関係も時と共に徐々に変わってゆく。

 そしてルクセンと結婚することになった。

 ちなみに。
 出会った時には知らなかったのだけれどルクセンは大会社の若き社長であった。
 そのことを告げられた時は衝撃で倒れかけたけれど。
 それでもその時には既に彼と生きてゆくことを決めていたので考えを変えようとは思わなかった。

 彼の仕事など何だっていい。

 もちろん反社会的なものであったなら少々問題かもしれないけれど。
 でもそれ以外であれば問題はない。
 それに、苦労というのはどんな状況にあっても存在するものなので、そのあたりは誰が相手だろうと同じことだろう。

「さぁ! 食べていいよ! どうぞ!」
「本当に……良いのですか? こんなにもたくさん用意していただいて……」
「もちろんだよ! 食べて食べて!」
「ありがとうございます……! 嬉しい、嬉しいです、とても」

 また、ルクセンは、オープルーとは違って私の大食いを受け入れてくれている。生まれつきの特性であるということを理解し、受け入れ、それでもなお責めるでもなく悪く言うでもなく接してくれている。

 そんな彼には大変感謝している。


 ◆


 あれから数年、私はルクセンと第一子と共に楽しく生きられている。

 家族三人仲良しで。
 毎日はとても楽しい。

 穏やかだし、笑いが多いし、訳もなく鼻歌を歌いたくなれるくらいの日々だ。

 ちなみにオープルーはというと。

 あの後女友達の一人と婚約するも喧嘩ばかりになってしまい、その最中に何人もと浮気してしまい、その結果女性より婚約破棄を言いわたされることとなってしまったそうだ。
 また、その一件以降、オープルーは女遊びだけに注力するようになっていっていたそうだが――やがて誰からか分からないが悪質な病を移されてしまい、その病に殺されてしまったらしい。


◆終わり◆
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