トラックにぶつかられそうになった少女を助けようとして死に、美しい令嬢に転生しました。

四季

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2話

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 レフトプエラの周囲の人たちは大抵とても優しかった――ただ一人、婚約者である青年グロエを除いては。

「記憶喪失、だそうだな」
「はい……」

 グロエはレフトプエラが記憶を失ったと聞いても心配など一切しなかった。いや、それどこか、特殊な状態になってしまったレフトプエラに対して苛立ちを感じているくらいで。会っている間、始終、冷ややかな目つきだった。

「まったく、まだ俺に恥をかかせる気か」
「え……まだ、とは……?」
「ああそうか忘れたか!! ふん、まぁいい、なら言ってやろう。これまでお前には散々恥をかかされてきた! わがまま女だったお前のせいで俺がどれだけ損してきたか! ……もうこれ以上突き合う気はない」

 レフトプエラは何をやらかしたんだ……。

「よって、婚約は破棄する」

 鬼のような顔で宣言するグロエ。

「……分かったな」
「そんな、急過ぎませんか?」
「黙れ!!」
「っ……」
「お前にはそのようなことを言う資格はない!! なぜならお前は女だからだ。女には、男に逆らう権利などありはしない」

 こうして私――否、レフトプエラは、婚約破棄されてしまった。

「お嬢様……記憶喪失の次は婚約破棄だなんて、なんて可哀想な……ああ、もう、お可哀想に……」
「無理しないでね、本当に」
「辛いよね、体調大丈夫? 辛かったら休んでいいからね、無理はしちゃ駄目だよ」

 やはり周囲は優しかった。
 だからだろうか、婚約破棄されてもなおそこまで落ち込まずにいられた気がして。

 支えてくれる人がいるありがたさを思わぬ形で学ぶ。

 その後私は通信魔法なるものに興味を持った。
 それは現在の世界においてかなり高度な技術だったから。
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