貧乏令嬢の相手はできんと婚約破棄されてしまいました。しかしその直後に自宅の庭から金塊が掘り出されまして。

四季

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前編

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 私の実家は一応歴史ある家である。
 しかし反映していたのは過去の話であって。
 現在はそこまで裕福でもない。

 だから、幼い頃から、同じような家柄の者たちからは馬鹿にされてきた。

 でも両親は優しくて。
 そこそこ幸せには生きてきたと思う。

「貧乏令嬢のくせに俺の言いなりにならないとは、生意気にもほどがある。そこそこ良い家の娘でももう少しは俺に忠実だというのに」
「え……」
「まともに従いもしない貧乏令嬢の相手はできん! よって、婚約は破棄とする! お前との縁は切る!」

 宣言され、彼の家から追い出された。

 珍しく婚約者に呼び出されたと思ったら、婚約破棄を告げられて追い出された。

 何をしに来たのだろう、という気分になってしまう。
 切り捨てる宣言をされるためにここまで来たと思うと、何というか、少々虚しさを感じてしまう。

 そうして私は実家へ帰ることとなった。

 だが。

 その日の夕方、自宅の庭で土をいじっていたところ、地面に何かが埋まっていることに気づいた。

 何だろう? と思いつつも、深く考えないままに掘り出してみると、それは金の欠片だった。そこはこれまであまり掘ったことがなかった場所だ。まさか、と思いもう少し掘り進めてみると、やはりまた金色の欠片が出てくる。

 そう、我が家の庭には実は金塊が大量に埋まっていたのだ。
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