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婚約破棄された翌日、僕は一人の女性に惚れた。~たとえ後悔するとしても、それでも行けるところまで行く~
しおりを挟む婚約破棄された翌日、僕は一人の女性に惚れた。
「あ、あの……」
「何でしょうか」
彼女はとても美しい人。
黒い髪は艶のあるストレートロング。
身にまとっているシルクのドレスは夜の視界に近いかのような漆黒。
振り返れば、滑らかで白い肌が見える。
「すっ……すみません、急、に……声をかけてしまって……」
「はい」
「ほ、ほ、ほ……惚れましたッ!!」
僕は想いを伝えることにした。
なぜって、簡単なこと。
僕が想いを伝えようと思った理由はただ一つ。
後悔したくなかったから。
想いが届かなくてもいい。愛されたい、とか、好かれたい、とか、そんな贅沢は言わない。でも心奪われたことは事実。そこに嘘はつけない、自分の心に嘘をつくなんてことはどうやったってできない。
だから怖くても本心を告白したのだ。
しかし返ってきたのは。
「……この後お茶でもどうですか?」
意外な言葉で。
「え」
すぐには言葉を返せない。
「よければ、ですけど」
彼女はそっと笑みを滲ませる。
その表情に僕の中の何かが壊れた――ああもう僕には彼女しか見えない、それ以外なんてどうでもいいと思ってしまう。
彼女しか見えない。
ああ、愛してる。
好きだよ。
愛してるよ。
今はただ、貴女だけを――。
◆終わり◆
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