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1話「婚約破棄を告げられて」
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「マリア・アボボガード! 貴様との婚約は本日をもって破棄とする!!」
その日、私は、婚約者アッズからそう宣言された。
正当な理由のない婚約破棄を告げておきながら勝ち誇ったような自信満々の顔つきでいるのが謎でしかない。
婚約破棄の何がそんなに楽しいのか?
一方的に切り捨てるのがそんなに嬉しいのか?
疑問は消えず、ただ、彼の前からは去るしかなかった。
それからしばらくは落ち込むことしかできなくて、食事さえまともにとれないような体調だった。彼と結ばれると信じていた自分に腹が立つ、けれど理不尽な切り捨て方をした彼にも腹が立つ。ただただ涙が止まらなかった。悔しさ、虚しさ、悲しさ、いろんなものが入り雑じった心を抱えたまま、私はしばらく自室で過ごした。
それから一ヶ月ほどが経ち、久々に家の外へ出た。
空は澄んでいる。
温かな日差しを地上へ注いでいる。
とても穏やかだ。
……と思っていると、突如、空の遥か彼方から何かが飛んでくる。
「え……?」
何か、は、明らかにこちらへ向かってきていた。
落下してくるような速度。
このままここにいては危険、本能的に感じ取り少し離れたところへ移動した。
その日、私は、婚約者アッズからそう宣言された。
正当な理由のない婚約破棄を告げておきながら勝ち誇ったような自信満々の顔つきでいるのが謎でしかない。
婚約破棄の何がそんなに楽しいのか?
一方的に切り捨てるのがそんなに嬉しいのか?
疑問は消えず、ただ、彼の前からは去るしかなかった。
それからしばらくは落ち込むことしかできなくて、食事さえまともにとれないような体調だった。彼と結ばれると信じていた自分に腹が立つ、けれど理不尽な切り捨て方をした彼にも腹が立つ。ただただ涙が止まらなかった。悔しさ、虚しさ、悲しさ、いろんなものが入り雑じった心を抱えたまま、私はしばらく自室で過ごした。
それから一ヶ月ほどが経ち、久々に家の外へ出た。
空は澄んでいる。
温かな日差しを地上へ注いでいる。
とても穏やかだ。
……と思っていると、突如、空の遥か彼方から何かが飛んでくる。
「え……?」
何か、は、明らかにこちらへ向かってきていた。
落下してくるような速度。
このままここにいては危険、本能的に感じ取り少し離れたところへ移動した。
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