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3話「幸福の形は様々で」

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 友人として暫し同じ時間を過ごした。

 そして私は宇宙人の妻となった。

 よく分からない生命体と結婚というのはあまり良く思われなくて、祝福してくれたのは母親だけだった。が、私はこの道を選んだことを後悔はしていない。できれば皆に祝福される結婚が良かったけれど、こうなってしまった以上仕方のないことだ。母親だけでも温かく祝ってくれた、まだ良い方である。


 ◆


 宇宙人との結婚から二年。
 私は今もこの地上で彼と二人生活している。

「ここに住むので本当に良かったの?」
「モトヨリコノホシニスムツモリダッタノデス。ガ、マリアサンニアエテカラ、モットコノホシデイキタクナリマシタ。イッショニイラレテサイコウデス」
「そう……なら良いけれど」
「マリアサンハナニモキニシナイデクダサイ、タダワラッテイルダケデモンダイナシデス」

 ちなみにアッズはというと、宇宙人の家族が祝福として落としてくれた隕石にぶつかってしまって落命したそうだ。


◆終わり◆
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