異世界恋愛作品集 ~さくっと読める!? 大変なことやややこしいことがあっても乗り越えて幸せを掴みます~

四季

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嫌がらせしかしてこない婚約者には消えていただきます! ~情報が手に入ったのはラッキーでした~

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 我が婚約者オーレインズは性格が悪い。
 それゆえこまめに嫌がらせをしてくる。

 婚約が決まった日に「エミリー、君はとても情けない顔面だから……ブサリーと呼ぶこととするよ」と言われた時は大層驚いたものだが、そんなのはまだ可愛い部類で、彼のそれからの悪行は想像の域を遥かに飛び越したものであった。

 お茶に誘われたと思ったら、砂糖を大量に入れた熱い紅茶をかけられる。
 彼がギャンブルで使った借金の返済を押し付けられる。
 就寝中に彼の大量の使用済み下着を服の中へぐりぐり押し込まれびっしり詰め込まれる。

 などなど、オーレインズの悪行は意味不明かつ非常に不愉快なものであった。

 だがそんなある日私は思わぬ形で大きな情報を手に入れた。
 オーレインズが国で取引を禁止されている薬物を密売人とやり取りしているところを目撃したのである。

 これは! と思い、その場面を撮影しておいた。

 そして私はその情報をしかるべき機関へと持ち込んだ。

 それによってオーレインズは拘束され、取り調べを受けた果てに、反省の色が見えないとのことで処刑された。

 それによってオーレインズとの婚約は破棄となった。
 相手がこの世にいなくなったことによるほぼ自動的な婚約破棄であった。

 でもいい、それでも構わない、だってこれで彼から解放されるのだから。

 もう苛められない。
 もう傷つけられない。

 それだけでいい。


 ◆


 あれから二年、私は、隣国の大商人アルプレクトフスと結婚した。

 彼はとても偉大な人だ。

 そして彼の兄弟姉妹も同じである。

 たとえば、彼の兄で長男であるエエリクスフルスは、大陸を支配する武装組織を交渉で落ち着かせ世界に平和を生み出した人。もう一人の兄、次男エエクスリフスルは、野犬を保護する活動で十の国の国王から表彰された人だ。彼より一つ年下の弟、四男ムスフスリエエリクスは富豪の令嬢と結婚。さらに二つ年下の弟、五男スルフスクリエスは大国の王女と結婚し力を得ている。

 また、女性たちも偉大である。

 五つ年上の姉、長女エリトリカは、裁判官をしている。その一つ年上である次女エーゲルエリトリアはやり手実業家として世界的に有名だ。その二つ下には女性の双子がいるのだが、メリトリカラは世界で女性初となる歯科医であり、トリメルケラは国において女性初となる大臣職に就いている。ちなみに、彼より五つ年下で美しい金髪と容姿の持ち主であるネートリアルカラは世界的な歌手として活躍中。

 そんな偉大な人たちだが、皆とても良い人で、私にでも優しくしてくれている。


◆終わり◆
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