婚約破棄 その言葉は まるで

四季

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婚約破棄 その言葉は まるで

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婚約破棄
その言葉は
まるで刃
すべてを引き裂いてゆく

身も心もすべて
銀に煌めくそれで裂いた

あなたは最後まで悲しそうにはしておらず
むしろどこか楽しげであった

ああ 呆れてしまうわ

どうして想っていたのでしょう
どうして愛していたのでしょう

あなたのような黒い人を

共にあろうと思っていたのは
隣にいたいと思っていたのは

きっとまやかしだったのね

婚約破棄
その言葉は
まるで刃
すべてを引き裂いてゆく

身も心も赤く染まり
銀に煌めくそれにまでこびりついていた

あなたは最後まで心なく
むしろ心地よさげであった

ああ 呆れてしまうわ

どうして想っていたのでしょう
どうして愛していたのでしょう

あなたのような酷な人を

共にあろうと思っていたのは
隣にいたいと思っていたのは

きっと気のせいだったのね

ああ それが恋かしら

あなたのような人を愛していたこと
呆れるけれど
わたしはより良い未来のため歩き出す
足を止めはしないわ

あれはきっと夢だったの

夢をみていたのね

幸せで
甘く
情けないほどに

愚かな夢
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