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前編
しおりを挟む「ネネ・カブラフスカ! 貴様、我が友人を裏で虐めていたそうだな!? 許さんぞ貴様ッ!!」
王子で婚約者でもある彼フィッシャーズが急にそんなことを言ってきた。
「え、何の話ですか」
「我が友人リリナに悪質な虐めをしていたそうじゃないか!」
「えええー……」
「どういう態度なんだそれは」
「虐めだなんて、まったくもって心当たりがありません。もしかして勘違いか人違いなのでは? リリナさん、でしたっけ? その方を虐めたのは私ではないです」
本当のことを言ってみるけれどフィッシャーズは私の主張を受け入れてはくれず。
「貴様、悪女にもほどがある! もういい、婚約は破棄だ! そしてそして! さらに――貴様を南にある魔獣の国へ送る!! せいぜいそこで獣たちに食われて滅べ。このくらいが、悪女な貴様にもってこいな罰だろう!」
私は突然拘束されてしまい、そのまま連れていかれることとなってしまった。
「どうしてこんなことを……!」
「馬鹿だなネネ、すべては貴様が悪女だからだろう」
「ですから私は何もしていな――」
「クソが!! リリナを虐めておいてよくそんなことが言えるな、消えろ!!」
暴言を吐かれてしまった……。
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